歴史ある路地先の、新しい尾道
瀬戸内海に位置する尾道は、市街地と対岸の向島を挟んで流れる「海の川」尾道水道により発展した海運の都。山手には多くの名刹があり、高台から町を見下ろせば、歴史と文化が凝縮した箱庭のような町並みと多島美に心奪われる。かつて、文人たちも風光明媚な景観に惹かれ、多くの映画の舞台にもなった。そして今、個性の光る場所がいくつも誕生し、尾道に新たなおもしろさを付加している。履き心地のいいTeva®を履いて、路地裏や急な坂道の向こうにある、その魅力を探しにいこう。
さっそく、軽快に石畳の階段を上っていくと、築約110年の古民家を改修した「LLOVE HOUSE ONOMICHI」を管理する中田雅実さん・松井納都子さん夫妻が迎えてくれた。ここはクリエイターが尾道の人々と交流し滞在できるよう、スキーマ建築計画・長坂常さんが手がけた文化創造拠点。当時、子育てのため地元長野に戻っていた夫妻は、元上司であった長坂さんの声がけで訪れた尾道の魅力に惚れ込み、家族で移住を決断した。「尾道の小道を歩くと何か発見があって、毎日旅をしているみたいです」と微笑むふたりの会話に旅の期待が膨らんだ。
山手を離れ、次は人ひとり歩くのがやっとの細い路地を進み、「本と音楽 紙片」へ。蔦に囲まれた扉を開ければ、ブルーグレーの壁に並ぶたくさんの本と、心地よい音楽。時の流れもどこかゆったりしているようで、何時間でも過ごせそうだ。旅先で出会った本や音楽は、いつもの好みと違うものだとしても、旅がくれた一期一会のギフトだと思って楽しみたい。そんな旅先の体験や気持ちを、自分や誰かに向けて手紙にしたためてみるのはどうだろう。
「綴る。」は尾道に息づく文学とお茶文化を、お客さんの体験をとおして味わえる文房具カフェだ。「カップルで来店して、初めは手紙に興味のなかった男性の方が帰り際に万年筆を購入するなんてこともあるんです」と嬉しそうに話すオーナーの河村優美香さん。気持ちのままにペンを走らせれば、新しい自分に出会えるかもしれない。
心軽やかに、尾道の未来を描く
おいしいパン屋は、遠くからでも人を惹きつける。2011年オープンの「パン屋航路」もそのひとつ。店名は「人と場所をつなぐ路のようなパン屋にと、尾道の文豪、志賀直哉の『暗夜行路』から名づけました」とオーナーの寺地秀平さん。路地先の尾道水道沿いのベンチに腰かけ、香ばしいパンを噛みしめて、しばし文人たちが描いた尾道の景色に思いを馳せる。この情緒溢れる海街を、潮風を感じながら自転車で駆け抜けるのも気持ちがよさそうだ。
「BETTER BICYCLES」に行けば、ファッション性も走行性も高い自転車をレンタルできる。店長の馬場秀雄さんは「サイクリングとさまざまなアクティビティをつなげて、しまなみの新たな楽しさを提案したい」と展望を語ってくれた。
尾道と今治をつなぐしまなみ海道は、今や国内外の観光客が詰めかけるサイクリングの聖地。この国際的な尾道人気の高まりは、2014年に誕生した「ONOMICHI U2」からといってもよい。古い海運倉庫を建築家・谷尻誠さんがリノベーションした複合施設だ。インダストリアルなデザインの店内に、地元のクラフトや食材が並び、海外のマルシェにでもいるような気分になる。同施設内の「HOTEL CYCLE」は、自転車と一緒にチェックインできるユニークなホテル。尾道水道が午後の光で色づくのが窓から見えると、気持ちが穏やかになる。
日が落ちる前にと、尾道駅からほど近い「Esquina」へ。スペイン語で街角という意味で、「居心地のいい隅っこのような店」という思いが込められている。「いろんな場所からいろんな人が集う町。だから、軽やかだし、終着地ではなく次のステップみたいな場所です」と店主の竹田めぐみさん。
きらりと光る個性が点在する尾道。その灯を頼りに路地裏や坂道を、足取り軽く巡っていけば、セレンディピティがあるかもしれない。それはきっと、次の旅に続く自分だけの切符なのだ。
REEMBER TERRAIN MID
ミッドカットタイプが新登場 秋らしい新色も
クッション性に優れたスリッポンシューズ「REEMBER TERRAIN」に新しく仲間入りした「REEMBER TERRAIN MID」。Teva®独自のテクノロジーであるULTRA-COMFインソールでふかふかの履き心地が特徴の超軽量スリッポン。足首をすっぽり覆うミッドカットのフォルムで、寒い時期もよりあたたかく、より歩きやすいので、キャンプなどのアウトドアだけでなく、タウンユースや旅行にもぴったりの一足だ。