「ECWCS」はもともと過酷な環境下で兵士が着用する軍事用衣服として、1980年代にアメリカ軍で開発されたシステムで、気候や気温に応じてウエアを7段階にレベル分けし、それらを組み合わせることで様々な環境に多段階的に対応するという仕組み。
要するに「気候と気温に応じて適切な重ね着をしよう」ということです。この考え方はアウトドアウェアにおけるレイヤリングと同じで、 実際、戦闘用の衣服でありながら、アウトドアメーカーであるパタゴニアやワイルドシングスが開発と製造に携わっているのが大きな特徴でもあります。
PAPERSKY WEARは「ECWCS」のLevel 4にあたるウインドシェルに着目し、完全防水や永久撥水のようなハイスペック性はないけれど、適度に雨風をしのいでくれて、柔らかく軽い、 何よりアウターとしてもミドルレイヤーとしても使用できる汎用性の高さに魅力を感じ、このウインドシェルを日常でもより使いやすくすることで、真夏以外は年中使える便利なデイリーウェアとしてアップデートさせました。

【コットンタッチのタイプライター】
表生地に採用したのはコットンのような表情を持つポリエステルのタイプライター。 一般的なアウトドアウェアのウインドシェルには見た目がいかにも化繊、という生地が多く採用されています。それも当然、悪いことではないのですが、PAPERSKY WEARのウインドシェルには撥水性など、最低限の機能は担保しつつ、より日常に馴染んで使いやすいこの表生地を採用することにしました。
コットンのような表情を持つポリエステルの撥水タイプライター。 光沢感が少なく、普段の生活に馴染みやすくて、機能的な点が特徴です。 「タイプライター」とは、高密度で織りあげることで作られる生地を指します。 ハリとコシがあり、パリッとしたほどよい硬さながらも、独特の風合いを持ち合わせています。
【ディティール】
肌に触れてもベタつかずさらりと快適に着用できるよう裏生地にはメッシュを採用。腰にはモノを出し入れしやすく落ちにくいよう
①フラップが重なる構造になったポケット
②セキュリティポケットになるファスナー付きのポケット
を前身頃の左右に各1つずつ付けました。右袖には、ICカードが収納できる小さなポケットを配置。


また、着用時に衣服内が蒸れすぎないよう、背中には大きなベンチレーションを設けたり、急な雨風をしのげるよう衿にはフードを収納したり、試作と議論を繰り返して細かなアップデートを重ねました。ブルゾンと同じ生地を使用したセットアップになるUNIFORM PANTSにもメッシュ裏地を採用し、左右の腰ポケットはモノを入れてもなくさないよう、ファスナー付きのセキュリティ仕様に。右後ろ側にはスマホ専用ポケット、裾には脱ぎ着しやすいようファスナーを付けています。

軽めのアクティビティから普段使いまで、便利でかっこよく、毎日着用できる。 PAPERSKY WEARの「デイリーユニホーム」的なセットアップに仕上げていますあとは、同じ生地を採用した着脱できる日除けを装備したキャップもあります。 キャップのツバは柔らかいので、丸めたり折り畳んだりしてポケットに収納できますよ。
