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Local Photographers
写真家たちが見つめる地域と暮らし

砺波周平

(長野県 富士見町)

 

12/03/2021

― お住まいの地域について教えてください。

富士見町は八ヶ岳南麓と南アルプスの北麓に位置していて、標高が1000m前後ある高原地帯にあるので、一年を通して涼しく、過ごしやすいところです。諏訪を中心にした縄文遺跡が多く発掘されている場所ということもあり、諏訪大社を中心とした独自の文化が根付いていて、奇祭といわれる「御柱祭」(おんばしらさい)でも知られています。最近は移住される方も増えているようです。

― 富士見町へはどのようなきっかけで移られたのですか?

出身は北海道なのですが、大学入学を機に青森県の十和田市へ移り、大学在学中に写真家の細川剛氏に師事しました。大学生活と写真表現の探求をしているうちに、十和田市の集落でパートナーと古い一軒家を改装して住み、その暮らしを写真で表現するようになりました。数年後、子どもできたタイミングで、東京方面に移り住むことも考えたのですが、地方暮らしができる場所が理想だったので、山梨県北杜市にある妻の実家の別荘に住みながら、家探しをしていました。そんな矢先、友人から富士見町にある古家を紹介され、暮らすようになりました。それが2010年なので、ここで11年住んだことになります。


― 住んでみて、いかがですか?

集落の人々との交流や集落の作業(草刈り、木の伐採など)、地域の祭はまるで外国を旅しているかのように初めての経験ばかりでとても楽しいです。作業が終わった後にみんなでお酒を酌み交わすのも、最初は緊張しましたが、今ではとても楽しい時間に変わりました。地元の人に連れて行ってもらって渓流釣りや山菜採り、キノコ刈りなどに行くこともあります。

― 日々の暮らしの中で、地域のどんなところに魅力を感じていますか?

  八ヶ岳や南アルプスが目の前にひろがり、湧水のある美しい森へ毎日散歩に出かけられるのは、写真家にとってとても幸せだと思います。

― 地域の行事を撮影されることもあるのですか?

地区を代表して、「御柱祭」の記録係に任命されたんです。前回の「御柱祭」では、祭当日はもちろん、神事や準備などほぼ全ての行程を約半年かけて撮影しました。

消防団も地方では当たり前の活動なのですが、実際に覗いてみると独特で面白く、練習風景や大会などの写真を撮りに行きました。

― この地域で今後やってみたいことはありますか?

仕事で出張に出ることが多いので、この先はなるべく地域にいられる時間を長くして、地元の文化風習や営みを記録したり、釣りやキノコ、畑などを地元の人に教わりながら上達していきたいです。



砺波周平 Shuhei Tonami
1979年北海道出身。北里大学獣医畜産学部 生物生産環境学科卒業。大学在学中から、写真家の細川剛氏に師事する。キャンパスのあった青森県十和田市で、パートナーと一緒に廃材で古い家を直しながらくらすうちに、日々の何気ない時間の中にたくさんの感動があることを知る。その暮らしの様子を3年間地元紙で連載。2007年東京都八王子市に東京事務所を置く傍ら、八ヶ岳南麓(長野県諏訪郡富士見町)に再び古い家を見つけ自分たちで改装し、妻と三人の娘、犬、猫と移り住む。現在、東京都と長野、山梨に拠点を持ち活動中。PAPERSKY no.65 「岩手・宮沢賢治」特集の撮影を担当した。
tonami-s.com