第49回目のゲストはメロウな歌声が魅力のレゲエシンガーasuka andoさん。メロウすぎるにもほどがある1stアルバム『mellowmoood』を2015年にリリース以来、数々の名作をリリースし、また日本各地をツアーで周る日本を代表するレゲエシンガーだ。今日はそんな彼女のヴァイナルハンティングに同行させていただいた。

キャットストリート裏の路地に中古レコードショップのGLOCAL RECORDSはある。この日はまだ3月だというのにポカポカの好天気。asukaさんは半袖Tシャツにデニムという出で立ちで現れた。早速階段をのぼって店内に入る。ここGLOCAL RECORDSは2011年にオープンしたダンスミュージックから、レゲエ、ワールド、ジャズなど幅広く取り扱うレコード屋だ。「原宿に用事がある時は寄ってますけどコロナの影響で来る回数が減ったかな。だから今日はちょっと久しぶりです」。そう告げるとスタッフへの挨拶もそこそこに早速レコードの箱を探り始めた。

東京出身の彼女は学生の頃からグルーヴィーな音楽に目覚め、学校が終わると渋谷へ繰り出してレコード屋巡りをしていたそうだ。しかし最初からレゲエが好きだったというわけではないらしい。「その頃はヒップホップが好きでしたね。だから渋谷に来たらとりあえずマンハッタンレコードに行ってました」。「しょっちゅう通ってるうちにスタッフとも話すようになって、色々なことを教えてもらいましたよ」と当時を振り返る。90年代に「レコードの聖地」とも言われていた宇田川町で連日のようにレコードを探す青春時代を送り、共通の趣味を持つ仲間と出会う。そしてイベントなどに出かけるようになってレゲエの世界に引き込まれたそうだ。「ネットと違ってレコードショップに来ると、店員さんから新しい情報を教えてもらえるのがいいですよね。人との出会いやコミュニケーションってやっぱり重要。こんな時代だから余計にそう感じますね」。



思春期にレコード屋巡りをしてレゲエの魅力に出会い、そして唄ったり踊ることの楽しさに気づいたasukaさん。今や日本を代表するレゲエシンガーとなった彼女だが、今もあの頃のときめきを忘れずに歌い続けているに違いない。この日彼女が履いていたのはLEEのフレアデニム。初々しいキャロル・トンプソンのデビュー作を彷彿させる佇まいなのであった。

