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ツール・ド・ニッポン in 甲賀・信楽
開催レポート

 

02/26/2024

紅葉も終盤、朝晩の冷え込みに冬の到来を感じさせる11月下旬に、伝統とモダンが息づく滋賀県の甲賀・信楽で開催されたツール・ド・ニッポン。この地の歴史や文化に触れながら、折々で食を味わって、楽しく美味しいBike & Food Tripになりました。

1日目の朝は冷たい雨が降っていましたが、集合時間が近づくと次第に青空が。参加者の方が続々と貴生川駅に集まってきました。今回は関西からの参加が多く、ご自身の自転車を輪行してくる方も。一方、レンタルの方は今回からオフィシャルバイクになったKONA BICYCLESをフィッティング。おしゃれなカラーのボディとフォルムに参加者の方々も興味津々です。ヘルメットはおなじみのGIRO。テクニカルチームとして名古屋からCirclesが入り、万全の体制でスタートしました。

単線の線路沿いの道を進んで目指すは、甲賀流忍術屋敷です。かつて、この地域は山を隔てた伊賀忍者と並んで有名な忍術一派・甲賀忍者が活躍。この屋敷は現存する最古の本物の忍者の住居なのです。調薬に長けていた甲賀忍者伝来のお茶を飲んだり、回転扉やからくり窓を見学したりと、忍者になった気分で楽しみました。

次の目的地へ向かう途中、道のあちこちに飛び出し坊やがいることに気が付きます。甲賀らしく飛び出し“忍者”も出てきました。そんな話で盛り上がっているうちに、落ち着いた佇まいのギャラリーカフェ、mamma miaに到着。もとは里山の校舎だったというこちら。窓の向こうの田園風景を眺めながら、ドリンクとふわふわのシフォンケーキをほおばり、穏やかな時間を過ごしました。

カフェをあとにし、アップダウンのある坂道を抜けて田中酒造へ。甲賀市は鈴鹿山系の伏流水とその水で育てられた米により酒蔵が多いんです。こちらでは酒粕や麹を使ったランチを、親戚の集まりのように参加者全員で輪になって味わいました。食べ終わった方から、蔵元の田中重哉さんから説明を受けて貴重な酒蔵も見学。できればこのままお酒を飲みたくなるところを、ぐっと我慢して、甲賀の茶園が見渡せる丘を目指します。

長くゆるやかな登り坂。全員が丘の上に着いたころは、ちょうどマジックアワー。夕日に照らされてきらきらと赤く染まる茶畑は心奪われる美しい景色でした。長い登り坂をがんばったご褒美でお茶菓子を食べながら、みんなで記念撮影。さあ、暗くなる前に最後の目的地へ向かいます。

茜色の夕空を眺めながら一気に坂道を下り、市街地に戻ってきました。辿り着いたのは400年続く甲賀の郷土料理「水口かんぴょう」の農家谷口治郎さん宅。この土地の歴史や、かんぴょう作りについてお話を伺いました。美味しくて感動したのが、かんぴょうの素揚げ。こんな食べ方があるとは知りませんでした。

そして、1日目のゴール、甲賀市まちづくり活動センター「まるーむ」に着く頃には日も沈んであたりは真っ暗。でも、まだまだお楽しみは続きます。この土地の食材がギュッと詰まった豪華なわっぱ弁当は信楽の和食屋 魚仙のオリジナル。酒蔵見学をした田中酒造のお酒や、甲賀市の土山茶、朝宮茶で乾杯です。美味しいものを分かち合うと、疲れが飛んでいきます。

1日目だけの参加の方も、帰りがけは名残惜しそうに、でも、「また参加しますね」と再会を約束してくれました。今回のツール・ド・ニッポンは甲賀市のサポートのもと、大阪を拠点としたクリエイティブユニットgrafによる企画「甲賀市 食の表現祭」の一環で開催。旅の随所で甲賀市の食を楽しめるようになっているのです。2日目はどのような食の出会いがあったのでしょうか。

2日目は朝から気持ちの良い晴天に恵まれました。1日目からの参加者は、信楽高原鐵道に乗って勅旨駅に向かい、この日から参加の方と合流してスタートしました。この日の舞台はやきものの里、信楽。まず初めに向かったのは、遠方から訪れる人も多いアトリエ兼ショップ、NOTA_ SHOP。洗練された空間に参加者のみなさんのお買い物欲も上がります。

思い思いにお気に入りのアイテムを購入したら、いざ、山あいのルートへ向かいます。途中、美しい紅葉に自転車を止めて写真を撮ったりしていましたが、次第に長い登り坂に突入。KONA BICYCLESのペダルにぐっと力を入れて漕いで行けば、ゆっくりながらも安定した走りで上っていくことができました。声をかけて励まし合いながら、やっと峠に到着。みなさんやりきった表情です。もうゴールまでは下るだけ。勢いよく風を切って坂道を駆け下りました。

いよいよ信楽の町に入ってくると、窯の煙突が見えてきました。道路の脇には信楽焼のたぬきの置物がずらり。たぬきの置物にまぎれて皇帝ペンギンもいました。そうしてようやく辿り着いたゴールは、明山窯のショップ兼ゲストハウスogama。古い大きな登り窯が目印です。自転車を置いて、暖簾をくぐると、その登り窯の前に素敵なダイニングテーブルが広がっていました。そう、お待ちかねのスペシャルランチがスタートです。

甲賀市の食材を使って料理を提供してくれたのは、bistroだもん亭の料理人ダレン・ダモンテさん。茶人・ティーコーディネーター川西まりさんによるティーペアリングも体験しました。2日間の旅で巡った土地の食材が次々とテーブルに運ばれてきます。一際大きな歓声が上がったのは焼き物にも使う粘土で地鶏を丸ごと包んで焼いた穴窯料理。粘土から取り出した鶏肉は旨味が凝縮し、手でほぐせるほどに柔らかでした。

そして、このアウトドア調理を強力にサポートしてくれたのはUPI。デザイン性の高いクッキングツールのDALUMや、燃焼効率が高く煙の出ないsolo stoveが大活躍してくれました。朝宮茶を練り込んだマシュマロをsolo stoveで焼いて、ダモンテさんお手製のチョコレートとビスケットで挟めばスモアのできあがりです。巡った土地の食材を一つのダイニングテーブルで分かち合う。お腹も心も満たされて会を終えました。

食を味わうことをとおして、甲賀信楽の歴史や文化、そこに暮らす人々の思いや意志を感じた今回のツール・ド・ニッポン。次回の開催は4月13日(土)・14日(日)、埼玉で開催します。みなさまのご参加をお待ちしています!


<共催>

甲賀市
graf


<Tour de Nippon Supporters>

KONA BICYCLES
Circles
SimWorks
UPI
GIRO
Icebreaker
le.cyc
POC
rig FOOTWEAR

PAPERSKY ツール・ド・ニッポン
「日本の魅力 再発見」をテーマに、PAPERSKYが企画・提案するツアープロジェクト。その土地の魅力ある文化、暮らし、自然、食、そしてそこに暮らす人々との出会いを求めて、自転車に乗って日本各地を旅しています。