ー Jetcapを作ろうと思った最初のきっかけは?
自転車が大好きだから元々Jetcapは作りたいと思っていたんだけど、初めて形になったのは2011年9月に青森で開催されたツール・ド・ニッポンの時。当時PAPERSKYで一緒に働いていた元メッセンジャーの子がミシンをするのが得意で、青森でのツアー開催に合わせて作ってみることになったんだ。
その時は今とは全然違うデザインで、青森がテーマだからリンゴをイメージした赤色のボディに、背面にはリンゴとイモ虫の刺繍をつけて、側面にはPAPERSKYのロゴをプリントしたものだったんだけど、それが大好評! そこからツアーを開催する度にその土地をイメージしたカラーと刺繍に変えて、いくつか継続して作っていたんだ。今も続けている手ぬぐいシリーズと同じかんじでね。
ー 現在は各地域ではなく、オフィシャルとして1つのデザインになりましたね。
Jetcapを作るきっかけになったツール・ド・ニッポンの名前は残しつつ、オフィシャルアイテムとしてツアー参加者以外の人にも使ってもらえるように商品化したんだ。サイクルキャップブランド「velo spica」に協力してもらって、PAPERSKYのテーマカラーのブルーとどんな洋服にも合わせやすいブラックの2色にして、機能性もよりアップデートしたよ。
ー サイクルキャップブランド「velo spica」とコラボレーションすることになった経緯は?
商品化するならサイクルキャップ作りのプロである「velo spica」と作りたいと思っていて、イベントで会った時にイメージを伝えたら、アイデアに共感してくれて協力してくれることになったんだ。
僕が作りたかったJetcapは主流のハイテク素材を使ったスポーティーなものとは違って、日常使いもできる柔らかい素材が理想。生地を探すところから始めて、最終的に決まったのが丈夫で通気性のいい日本製の帆布。中でも軽くて肌触りのいい質感にするために極力薄い帆布にこだわって、縫製はすべて手作業。これは日本ならではの技術だね。イメージを伝えて、試行錯誤しながらどんどんアイテムに落とし込んでいったよ。
ー 旅に適した道具として、こだわったのはどんなところでしょうか?
第一にコンパクトで邪魔にならず、持ち運びがしやすいこと。ツバに芯が入っていないからクルッと丸めてズボンやリュックのポケットにも入れられるよ。
ー どんなシーンで活躍しますか?
日常はもちろんアクティビティを楽しむ人にもすごく便利。大きい帽子だとランナーは走るのに邪魔になるし、ハイカーは山道で木に引っかかったりするけど、このミニマムなJetcapならその心配は少ない。サイクリストはJetcapの上からヘルメットを被れるからズレ防止や汗止めにもなるし、休憩中にヘルメットを外せば、街中でも不自然なく被れるおしゃれな帽子になる。
後のゴムで簡単にサイズ調整ができるから誰の頭にもフィットするし、風が強い時はキュっと締めれば帽子が飛ばされるのを防ぐこともできる。これは一見シンプルだけど「velo spica」ならではの便利な機能なんだ。旅先で汚れても丸洗いできて、乾きやすいのもポイントだね。
ー デザインでこだわったのはどんなところでしょうか?
一見同じサイズに見えるブルーとブラックは、実はツバの長さを若干変えていて、男女ともに誰でも似合う形になっているところ。あとは、外側についているPAPERSKYのワンポイントロゴと、帽子の中のタグにもメイドインジャパンの意味を込めた日の丸マークのPAPERSKYロゴがあるんだ。あまり誰も気付いてくれないけどね(笑)
ー ルーカスさんが実際に使ってみた感想はいかがでしょう?
TOOLS=道具という点では、長く使えるものがいいと思っていて、このJetcapは使い込むほどに色が変わって経年変化を楽しめるんだ。まるでジーンズみたいに味が出て自分にフィットしてくるかんじ。僕が使っているものもだいぶ柔らかくなってきてますます愛着が湧くシルエットになってきたよ。
アクティビティってどうしてもみんな同じような格好になっちゃうけど、使う人によっては日にたくさん当たったり、汗をかいて水で洗ったり、そういった自分のスタイルがこのJetcapに表情として出てくるのもユニークで魅力的。旅先でも家でも被っているから、もう自分の生活の一部としてなくてはならないものになったよ。