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自転車でゆるりと東京を巡る

トーキョーバイクは、バイクブランドではなく、ライフスタイルブランドだ。創業者の金井一郎(愛称キンちゃん)は、自転車を通じて、東京で暮らす人たちがコミュニティを作れるようなブランドを作りたかった。あくまでも自転車はそのための手段であり、目的ではない。

07/27/2020

創業から18年が経過したが、キンちゃんは相変わらず若々しくて、陽気だ。彼はトーキョーバイクのアイディアや彼のブランドがもたらした影響力について熱心に語ってくれた。東京に住む私たちの自転車生活を大きく変革させたのは、彼であり、彼の会社なのではないか、こう指摘すると彼ははにかんだような表情を見せた。

キンちゃんは、子供の時、自転車に乗った時に感じた自由な気持ちを思い出しながら、「年をとるとだんだん冒険心がなくなってきますよね」と語る。「トーキョーバイクが創業される前は、みんな電車を乗るために近くの駅に行ったり、近所で買い物するために自転車に乗っていました。みんなそれ以上の何かを自転車に求めていませんでした。新宿から渋谷まで自転車で移動するなんて言うと、みんなドン引きしてましたよ」。

トーキョーバイク、そして新たに台頭してきた他の街乗り自転車ブランドは、この街で暮らす人たちが自転車で気軽にあちこち散歩しながら、東京のカルチャーに触れられるチャンスを増やしている。このようなムーブメントはかつて考えられなかったことだ。ロードバイクは発進も停車もちょっと面倒だし(ウェアなども手間だし)、ママチャリは重くて、遠出ができない。トーキョーバイクは、見た目も美しいし、乗りやすく、東京のライフスタイルにマッチした自転車で、人をつなぐ手段にもなる。さりげなくオシャレなのもポイントだ。

トーキョーバイクの本店は谷中だが、ここ数年、都内に支店も続々と増え、海外にも出店した。店のロケーションは、セレクトしたわけではなく、「たまたま」その場所だったらしい。「出店する時は、その場所が自転車の移動に向いているかとか、自転車の競技会があるかなどには関心がありません。しっかりしたコミュニティが築かれているのか、近くにどんなお店があるか、美味しい食べ物があるかとか、そんなことがポイントです」。

このフィロソフィーは、原宿のオシュマンズ限定のモデル、ハンドソープ、バックパック、シューズ、文具など、彼らがグッズやポップアップストアでコラボするメーカー、ショップにも貫かれている。ほとんどが小規模で、地元に根ざしていて、コミュニティーを大切にしている会社ばかりだ。

働いているスタッフたちのバックグラウンドもユニークで、マニアックな自転車フリークはあまり多くない。トーキョーバイクのスペックはハイ・クオリティで、製造や出荷プロセスにも細かい配慮がされ、新しい技術が開発された際は、その都度自転車もアップデートされている。キンちゃんは、こう結んだ。「人はブランドが発するメッセージに惹きつけられると思います。もし、ハッピーな気持ちになる商品なら、僕たちもハッピーだし、お客さまもハッピーになるんです」。

TOKYOBIKE
東京をゆるりと楽しむための自転車。tokyobikeは自転車ブランドでありながら、ひとつのライフスタイルブランドとして確立しています。
text | Susie Krieble photography | Daisuke Hashihara