Section 6 浜離宮〜皇居外苑(8km)
東京のランドマークをホッピング
浜離宮を後にして芝公園から皇居を目指すセクション6では、東京のおなじみのランドマークがいくつも現れる。東京タワーの真下を通り、愛宕神社、日枝神社というふたつの神社に立ち寄り、国会議事堂周辺を巻いて憲政記念公園へ。その先に見えてくるのは特徴的な高麗門。いよいよゴールの桜田門だ。
始まりの芝公園一帯は、じつは隠れた巨木スポット。芝公園内の推定樹齢200年のタブノキ、増上寺境内にある、グラント将軍が植えたというグラントマツ(ヒマラヤスギ)、銀杏坂周辺のメタセコイアの林……。葉を落としたメタセコイアの枝の合間から、東京タワーがちらちらと見え隠れしていた。
その先の愛宕神社は、自然の山としては23区一の高さを誇る愛宕山の頂上にある。この標高(25.7m)を生かして江戸の防火の鎮守として創建されたもので、「出世の階段」と呼ばれる大階段が有名だ。続いて立ち寄った赤坂の日枝神社は、アプローチにエスカレーターがある現代的な仕様。山を模した山王鳥居をくぐって参拝する。TTTで立ち寄ったなかで最も東京の中心部に位置する神社でありながら、なぜか山や自然の鎮守である猿を祀っていることにand wanderとの不思議な縁を感じる。
全都道府県の木が植えられている国会議事堂、和と洋、趣の異なるふたつの庭園を楽しめる憲政記念公園を抜けると、そこに現れる桜田門!皇居外苑の松林を歩きながらしばしゴールの感慨に耽る。「こうして徒歩で皇居を目指したことがなかったから、桜田門が新鮮」(森)、「外苑のマツがこんなに手入れされていることも知らなかった」(池内)。
本当はここがゴールなのだけれど、ついでに日比谷公園にある「首かけイチョウ」にも立ち寄ろう。伐採されかけていたのを、明治神宮の森をつくった本多静六博士が首をかけて救ったものだ。みごとな枝ぶり、太い幹、紅葉の時期は黄色の衣を纏ったように見えるという。明治神宮に続き、あらためて本多先生の先見性に脱帽したのだった。
■Tree Spot
・芝公園
・大本山 増上寺
・愛宕神社
・神谷町緑道
・日枝神社
・憲政記念公園
・皇居外苑
・日比谷公園
【TOKYO TREE TREK(TTT) ROUTE MAP】
PAPERSKYが創案した、東京の樹木をつないで歩く約60kmのトレイル。江戸の玄関口として旅人を迎えた品川宿(北品川)を起点に、時計回りに渦を描くようにぐるりと巡り、江戸城のあった皇居を目指して歩くオリジナルルートです。