TOKYO TREE TREK

お目当ては街のシンボルツリー!
大都会の自然を探して、and wander的東京ハイキング

世界のどの都市と比べても、トップレベルで緑が豊かな街、東京。and wanderのふたりと出かけるのは、街を代表するシンボルツリーをめぐる約60kmのハイキング。高台にある高級住宅街から武家屋敷の面影残る文教地区、どこか昭和レトロな趣き漂う下町エリアまで、6セクションを歩いてみたら、普段はお目にかかれない、東京の素顔に出合えるかも。

09/23/2020

Section 2 広尾〜新宿御苑(10km)
歌舞伎のアカマツから子どもが遊ぶ大木まで

セクション2は広尾から新宿御苑に至る、およそ10kmの行程だ。最初に出合うシンボルツリーは、日本赤十字社医療センターの敷地内にある樹齢300年のアカマツの大木。もともとここにあった佐倉藩堀田家の下屋敷に植えられていたもので、百姓一揆を題材にした『東山桜荘子』の主人公、佐倉宗吾(木内惣五郎)に由縁があるということで江戸時代から人気があった。盆栽仕立ての樹形を留めていて、なんとも見栄えがいい。

國學院大學の神殿の横を抜け、都内有数の木造建築神社、渋谷氷川神社へ。境内全域が保存樹林として保護されているのも納得の、みごとなプラタナスやケヤキが残されている。「大木や古木はお寺や神社でしか守られないんだね」と、森さんが気になるひと言を。たしかに、街路樹はすぐに切り倒されてしまうのか、道ばたでは一向に古木の類を見かけない。そのまま渋谷を通り過ぎ、明治神宮へ。代々木公園西門に近い芝生では、樹勢回復に取り組んでいるサイカチを観察。10年あまりの時間をかけ、枯死寸前からここまで回復したとか。空洞になった主幹のなかに若木が何本も育っていて感激する。

セクション2のハイライトは新宿御苑だ。1906年、かつて信州高遠藩主・内藤家の下屋敷があったここに皇室の庭園がつくられ、戦後、国民公園として一般に開放されるようになった。東京の中心部、新宿の高層ビルに取り囲まれた新宿御苑には、絶滅危惧種として環境省のレッドリストに記載されている140種が栽培されているそうだ。

さて、園内で向かったのは「3本ユリノキ」。樹齢はおよそ120年、高さ35mという堂々のたたずまい。どっしりと安心感のあるその姿に引き寄せられるのか、巨大な枝がつくる木陰では、小学生くらいの子どもたちが大勢、走りまわっている。そんなことを考えていたら、いつの間にかマジックアワー。ユリノキを包み込む空も、柔らかなピンクに染まっている。大木の枝の向こうに暮れる夕日を、ふたりはいつまでも眺めていた。

■Tree Spot
・日本赤十字社医療センター
・渋谷氷川神社
・金王八幡宮 
・代々木公園 
・明治神宮 
・東郷神社
・鳩森八幡神社
・新宿御苑 

STRAVA
ルートアプリ「STRAVA」による、TOKYO TREE TREKのルート60kmのすべてを記録したオンラインルートマップです。自転車で巡るなら「STRAVA」のアプリをダウンロードしてご活用ください!
YAMAP
登山アプリ「YAMAP」がTOKYO TREE TREKをサポート!実際に歩いてルートを巡る際にお使いいただける詳細マップです。「YAMAP」のアプリをダウンロードして、東京の自然を探しに出かけましょう。
PAPERSKY NO.62 TOKYO TREE TREK
次々と高層ビルが誕生し、大きな変貌を遂げる街、東京。そんな東京の大地に根を張り、街を見守るかのように生きる樹木をめぐる特集です。ゲストはand wanderの池内啓太さん、森美穂子さん。
text | Ryoko Kuraishi photography | Norio Kidera special thanks | Shinichi Kimura (Cyclex)