次世代に残したい風景を瀬戸田に
自社で「SOIL Setoda」を展開し、共同創業者として「Azumi Setoda」に携わる。活気づく生口島の瀬戸田の火つけ役といえる岡雄大さんのキャリアは、何兆円もの大金が動く外資系金融からスタートした。
「でも、日経新聞に載るようなディールメイクをしても、全然泣けなかったんです。僕のお金ではないし、仕事だけど仕事じゃない感覚。自分の規模感でできる仕事をするべく、場のソフトデベロッパーとして起業しました」
最初に瀬戸田へ来たのは5年前。「こんな場所は見る意味ないだろうけど」という調子で視察ツアーの最後に連れてこられた。
「海のブルーと柑橘畑のイエローのコントラストにまず惹かれました。後に『Azumi Setoda』となる築140年の豪商の館があり、商店街の人々は気さく。20分も歩けば一周できるサイズ感もちょうどいい。SOILの事業アイデアは、ジャズセッションのように地元の人と対話しながら生まれます。お店と客室を組み合わせた形態のショップハウスを、商店街に10棟まで拡大するのが新しい目標。最初は瀬戸田にお邪魔させてもらう感覚でしたが、今は次の風景をつくっていく責任を感じています」
岡 雄大／Yuta Oka
1986年、岡山県生まれ。Staple代表。瀬戸田と日本橋を拠点に、「SOIL Setoda」や「MINATOYA」、「ひ、ふ、み」、「OVERVIEW COFFEE」などを展開。共同創業者として携わる別会社では「Azumi Setoda」や「yubune」も手がける。