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ONSEN & UME

龍神温泉 元湯・たかだ果園

豊かな自然があふれる和歌山県。温暖な気候で一年を通じて過ごしやすい和歌山は、梅の生産量で日本一を誇る「梅王国」であり、関西随一の源泉数を誇る「温泉の県」としても知られています。PAPERSKYでは、そんな和歌山の魅力を「梅」と「温泉」というテーマで深掘り。魅力的でユニークなおすすめの施設を紹介します。

07/28/2026

龍神さまが導いた! 徳川藩主が愛した秘湯


渓谷美と温泉三昧をお目当てに


護摩壇山の麓、深い山々に囲まれた渓谷部にその温泉はひっそりと開かれている。竜仙境という神秘的な名前にぴったりの温泉は、その名も龍神温泉。

今から約1300年前、修験道を開いた役小角(役行者)が発見し、その100年後、弘法大師が難陀竜王(水の恵みをもたらす龍の神)のお告げを受けて開いたことから龍神温泉と呼ばれるようになった―と『紀伊続風土記』に紹介されている秘湯だ。

窓から望む渓谷美と合わせて楽しみたい源泉掛け流しの湯
龍神キャラがアイコン

温泉街には温泉旅館や民宿など数軒の施設があるが、誰でも気軽に利用できるのが源泉掛け流しの湯が自慢の「元湯」。施設の目の前で自噴する源泉から引き湯しており、泉質は弱アルカリ性の重曹泉(ナトリウム炭酸水素塩泉)。入浴後の肌がつるつるになることから「日本三美人の湯」と称されている。身体を温める効果が非常に高く、血行促進、冷え性や関節痛、肩こりの緩和を目当てに湯治する常連も多いとか。

日高川の渓谷美を映し出すピクチャーウィンドウを備えた浴場は開放感があり、特に新緑や紅葉の季節に目を楽しませてくれる。露天風呂は鳥の鳴き声や川のせせらぎが耳に心地よく、つい時間を忘れてしまいそう。

龍神温泉 元湯

紀州徳川家の初代藩主・徳川頼宣が愛し、整備した秘湯中の秘湯。内湯は岩風呂と檜風呂があり、檜は100%龍神村産の材を使用している。元湯から徒歩5分の立地に素泊まりの宿泊施設も備える。

和歌山県田辺市龍神村龍神37
TEL:0739-79-0726

南高梅発祥農園が挑む、未来に続く梅づくり


すべては1本の梅の木から始まった


南高梅は、みなべ町発祥の最高級の梅の品種。実は大粒で皮が薄く、果肉は厚くて柔らかい。完熟するとモモのようなフルーティな香りを放ち、梅干しや梅酒に最適とされる。この南高梅の母樹があるのが、みなべ町で3代続く梅農家「たかだ果園」。

1903年、初代の高田貞楠さんが「内中梅」という品種の苗木を60本植えた。そのうちの1本が、ひときわ大粒で美しい実をつけるようになる。彼はその特別な木を「高田梅」と名づけ、母樹として大切に育て、増やしていった。やがてその梅は最も風土に適した優良品種と評価され、「南高梅」と命名される。1本の木から始まった系譜が、今日の南高梅ブランドへとつながっている。

収穫した南高梅を天日に干す作業小屋。こちらはすべて紀州産のスギ材で建てられている

現在たかだ果園では9ヘクタールの農園で循環型有機農法により南高梅を栽培し、梅製品の加工・販売までを行っている。世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」を継承すべく土づくりから徹底的にこだわり、梅干し用の紫蘇までも自社農園で有機栽培する熱意の入れよう。農福連携という言葉が広まる以前から福祉作業所と連携して障がい者雇用を生み出すなど、先進的な取り組みでおいしさと安全、持続可能性の両立に挑む。

たかだ果園

「気候変動の影響を実感し、環境意識向上の必要性をますます感じる」と3代目の高田智史さん。梅干し・梅酒づくりから収穫体験、本格的な有機農業研修まで、さまざまな体験プランを提供している。

和歌山県日高郡みなべ町晩稲849
TEL:0739-74-2113

PAPERSKY no.74 | WAKAYAMA | Birding
バードウォッチング・フィールド、和歌山の旅へ。「Birding=野鳥観察」をテーマに、アオイヤマダさんをはじめ、イラストレーター、写真家、ミュージシャンの方々と新しい野鳥観察の可能性を探ります。
Text | Ryoko Kuraishi photography | Deby Sucha special thanks | Wakayama Tourism Federation, The Wild Bird Society of Japan Wakayama Prefecture Branch, Japan Bird Research Association, RENAULT JAPON CO., LTD.