まるで流氷? 割りながら入浴する不思議の湯
“関西最強”説は嘘じゃなかった!
湯船でおしゃべりした常連客はこう言った。「この温泉があったから、神戸からの移住を決めた」、と。移住のきっかけになるほどパワーのある「花山温泉 薬師の湯」は、“関西最強”と謳われる源泉掛け流しの温泉。地下約500mから天然の炭酸ガスの圧力だけで自噴する超高濃度炭酸泉は鉄分を多く含んでおり、湧出時は無色透明だが酸素に触れると茶褐色に変化する。
浴槽や手すりに分厚く付着した茶色の湯の花は炭酸カルシウムで、朝一番の湯の表面には結晶化した湯の花が薄い膜を張っている。まるで流氷だ。これをパリパリと割って入る一番風呂は、宿泊客の特権である。


平安時代初期に開湯したという「薬師の湯」だが、地殻の変動により長く湧出が止まっていた。昭和40年のボーリングで炭酸泉が自噴し、現在のスタイルに。毎日湯を抜いて清掃するが、週に1度のメンテナンスではハンマーで湯の花を叩き壊す必要があるというから、パワーがありすぎるのも困りものだ。
おすすめの入浴方法は、41.5℃に加温した大浴場に5分、26℃の源泉風呂に2分の温冷浴を5回繰り返し、40℃の露天風呂と外気浴で仕上げるというもの。はぁー、至福。

ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄分を多く含み、別名“浸かる美容液”。一番風呂を体験できる宿泊プランでは、旬食材をふんだんに使った料理もお目当てに。なんと、調理時にも源泉を使っているとか。
和歌山県和歌山市鳴神574
TEL:073-471-3277
20代が憧れる、かっこいい梅農家って?
梅栽培をリブランディング
塩と紫蘇だけで漬け込む昔ながらの梅干しを生産する梅干しメーカーの「うめひかり」。率いるのは、122年続く梅農家に生まれた若き起業家の山本将志郎さん。「梅農家になるつもりはまったくなかった」山本さんが「梅ボーイズ」というブランドをスタートさせたのは、日本一の梅産地である地元・みなべ町の梅農家が直面する課題を目の当たりにしたから。
「一大産地とはいえ高齢化が進む現場は後継者不足が深刻で、閉塞感が漂っています。若い世代が『梅農家になりたい』と思わないのは、収益が少なくやりがいも感じにくいから。この現状を変えたくて、起業を決意しました」

手始めに、子どもの頃から慣れ親しんだ、昔ながらの酸っぱい・しょっぱい梅干しの加工業をスタート。完熟した南高梅を塩と紫蘇だけで漬け込む梅干しからは、梅本来の豊かな香りが感じられる。続いて、この販売収益を元手に梅栽培をスタート。わずか3年で15ヘクタールまで作付面積を増やし、新規就農支援にも取り組んで就農者13人を確保した。
「梅栽培を魅力的なものに変え、梅農家を次の世代に選ばれる職業にしていく」という梅ボーイズの挑戦はまだ始まったばかりである。

素材は自然落下した完熟南高梅と天日塩、赤紫蘇のみ。柔らかな皮が弾けると、とろりと果肉が溢れ出す。日本の食卓のベストパートナー! 定番の梅干しの他、梅酢や練り梅など梅製品を幅広く手がける。
和歌山県日高郡みなべ町晩稲505-1
TEL:0739-74-8020