

群馬県前橋市は人口32万人を超える賑やかな街。便利な都市機能が揃う前橋駅前から車で30分ほど北へ。今回の訪問先は農業地帯が広がる富士見町だ。
見えてきたのは、赤城山をはじめとした豊かな自然に囲まれて建つ、中島さんファミリーのBESSの家。周囲にさえぎるものがない絶好のロケーションに、落ち着いたブラウンカラーのWONDER DEVICEがよく映える。
PAPERSKY編集長のルーカスに同行したのは、桐生市でうどん屋さんを営む清水利信さん。この土地と家が家族の暮らしをどう変えたのか。楽しい会話の時間が始まっていった。
訪れた人/ルーカス B.B.(PAPERSKY編集長)
訪れた人/清水利信さん(手打ちうどん石臼挽き手打ち蕎麦「しみずや」(群馬県桐生市)3代目ご主人
迎えた人/中島裕貴(ひろき)さん、美子(みこ)さん(群馬県前橋市在住、BESSの家「WONDER DEVICE」オーナー)

1. 心と体を整えるために、暮らす場所を変えよう
ご自宅でそれぞれ別のお仕事をしているという中島さんご夫婦。家の中には裕貴さんが創作した可愛いガラスの作品がいくつも置かれていた。穏やかな表情のお二人からはすぐに現在の充実ぶりがうかがえる。

ルーカス 「裕貴さんは、グラスフラワーアーティストなんだよね?あそこに飾ってあるのが作品かな。とっても可愛くて、見ているだけでウキウキしちゃう感じだね」

中島裕貴(以下、裕貴) 「ありがとうございます。いつも、元気を発散するような作品を作ろうと心がけてまして」

中島美子(以下、美子) 「私も毎日、夫の作品から元気をもらっているんですよ」
ルーカス 「美子さんはセラピストなんだよね」
美子 「はい、心と体のトリートメントを行っていて。オンラインでもカウンセリングしているんです」

ルーカス 「じゃあ、二人とも家で仕事をすることが多いのかな。こんな気持ちのいいロケーションに建つBESSの家で自分たちの仕事ができるなんていいよね。裕貴さんはどうしてアーティストになろうと思ったの?」
裕貴 「東京に暮らしていた頃は警察官だったんですが……」
ルーカス 「えっ?」
美子 「東京のど真ん中で暮らしていたんです。私はその頃、保育士をしていて。二人とも仕事にやりがいを感じてはいたんですが、次第に心が苦しいな、豊かじゃないなと思うようになっていって。ビルの谷間にあるような部屋で日差しもほとんど入らず、夫は仕事にプレッシャーも感じていて」

裕貴 「その後、栃木に転勤になったんですが、そこは自然に囲まれた素晴らしい場所で」
美子 「そこで環境の変化に影響されて、私たちの考えも大きく変わったんです。もっと自分の好きなこと、楽しいこと、ワクワクできるようなことをしたいよねって。毎日、そんな話を二人でしていたんです」
裕貴 「だけど自分は仕事柄、『誰かのために』という気持ちが強くて、自分は何がしたいんだろうってことがなかなかわからなくて。だけど東京を離れて自然に触れる生活を送るようになったら、心に大きな変化があって、もっと自分にフォーカスしてみようと強く思うようになったんです」

清水利信(以下、清水) 「なるほど。転勤がいい転機になったんですね」
美子 「その頃、私はネット上でシルバーアクセサリーの教室を見つけて、自分でこれをやってみたいと思い、その教室に通い始めたんですよね。すると夫も『なんだか楽しそうだから一緒に通いたい』ということになって」
裕貴 「その教室のカリキュラムにガラスをカットして焼く、というものがあったんです。それがとても面白く感じて。じゃあガラスで何を作ろうかと考えた時、自分は花や植物が好きだなってことと結びついたんです」
美子 「それで初めて完成したのがガラスでできたオレンジ色のチューリップでした。それを見つめている夫の顔がもうこれまで見たことのないくらいキラキラしていて、その瞬間、これだ!という直感が私にも降りてきて」

ルーカス 「すごい!そうやってアーティストになったんだ。自分の気持ちに正直になるって大事だよね。二人の表情を見ているととっても爽やかだし、穏やか。今の充実ぶりが感じられるよ。それで仕事を辞めて群馬に?」

裕貴 「ええ、根拠はないんですけどなぜか群馬に惹かれていて。だから土地を探す時は群馬全域からどこがいいか選ぶような感じで、今の場所にめぐりあえました。初めてこの土地に来た時は赤城山がドーンと見えて、なんて素晴らしい場所なんだって。自然に囲まれて暮らすことしか考えていなかったんでまさに理想の場所だったんです。ここに暮らしてそろそろ3年目になりますね」
清水 「いや、本当にありがたいお話で。他にもいろいろ選択肢があったと思いますが群馬を選んでいただいて嬉しい限りです。私は桐生ですが、前橋は大好きな町ですし」
裕貴 「群馬でお会いした多くの方々が、来てくれてありがとうと言ってくれて僕らもとても嬉しい気持ちなんです。群馬の人はあたたかいですよね。引っ越してきて本当に良かったと感じています」

ルーカス 「美子さんはどういうキッカケでセラピストに?」
美子 「私自身も、東京での都会暮らしで心と体がバラバラになったような感覚を覚えていたんです。じゃあ、心と体を整えるにはどうしたらよいかと考え、東洋医学に触れるようになって。群馬でこの家に暮らすようになってから、本当に自分の感覚が変わったような気がして、自然の力とか心を整えることにどんどん興味が湧いてきて。だから良い意味でなりゆきというか、運命というか、ここでの暮らしがセラピストの仕事に導いてくれたような気がしています」
2. 直感が教えてくれた、WONDER DEVICEという選択
ルーカス 「BESSの家を選んだのはどういう理由だったの?」
美子 「夫はもともとBESSを知っていて、警察官を辞めると決めた頃、LOGWAYに出かけていったんです。絶対に自分たちの家を建てたいという感じでもなかったんですけど、実際に家を見たらもうなんか決まってしまったというか。これ以外はちょっと考えられないという感覚で、すぐに決めてしまいました」

ルーカス 「どうしてWONDER DEVICEに決めたの?」
美子 「最初はログハウスっぽい家がいいかもと思っていたんですけど、WONDER DEVICEはドアを開けるといきなり広い感じがするし、天井まで続く吹き抜けがとっても開放的で」


清水 「私は築100年ほどの古い家に住んでいるんですけど、こういう家で暮らすのはどんな気分ですか?」
裕貴 「外観からはあまり分からないかもしれませんが、家の中にいるとやっぱり木に囲まれているなという感覚です。何より心が穏やかになるというか、落ち着きますよね。裸足で歩いていると、床の木に足が触れて心まで癒されます」
ルーカス 「それにしても知らない場所、新しい家、二人とも新しい仕事を始めるっていうことで、まったく新しい暮らしが始まったわけだよね。ワクワクもあったと思うけどドキドキはなかった?」

美子 「それまで二人とも色々な悩みを抱えてきたこともありましたし、考え抜いて今の方向性を決めたのでワクワクの方が大きかったと思います」
ルーカス 「実際にBESSの家に暮らしてみたらもっとワクワクが大きくなったんだよね、きっと」
美子 「外を見れば緑や山がありますし、どんどん大らかになっていく自分たちに気づきました。木の床がへこんだり汚れたりしても、味が出ていいかなと思えるようになって」
ルーカス 「暮らす場所や家で、人って大きく変わっていくものだよね」
美子 「正直、誰もいない土地に来て孤独を感じなかったと言ったら嘘になりますし、二人で仕事を変えたことにも不安はありました。だけど引っ越して間もない頃、この家に1人でいて、なんだかすごく安心感を得られた瞬間があったんです。まるで家が人格を持っているような感じで、私たち家族のことをずっと包んでくれているような、守ってくれているような感覚で。言葉で表現するのは難しいんですけど」

ルーカス 「中島さん夫婦と同じように僕も自分の家で仕事をすることが少なくないけど、家の雰囲気とか空気感は仕事にも大きく影響するよね」
裕貴 「そうですね。自分はガラスと木を組み合わせた作品を作っていることもあって、木に囲まれた暮らしにインスパイアされることはとても多いと感じています。何より、前向きに生きていきたいという気持ちから作品作りを始めましたし、作品にもそんな気持ちを込めているので、そんな自分を家と周囲の環境が後押ししてくれているような感覚をいつも感じています。この家は、誰の目も気にせず、自分の気持ちにフォーカスできる最高の空間なんです」

美子 「私も同じ気持ちですね。以前の私はいつも頭の中がごちゃごちゃと忙しかったんです。だけど、こういう環境でこの家で暮らすようになって、自然とぼーっとする時間ができて、セラピーの仕事にも良い影響があるなと感じています。実は少し前までは近所に部屋を借りて、そこで仕事をしていたんですけど、この家にいる時間がとても心地いいので庭に建てた小屋で仕事をすることにしたんです」
清水 「この家が本当に心地いいという二人の気持ちがひしひしと伝わってきますね」
ルーカス 「清水さんの職場は老舗のうどん屋さんだけど、お店と家が一体になっているんだよね。中島さんと同じじゃない?」
清水 「確かにそうですね(笑)」

ルーカス 「家で幸せを感じる瞬間ってどんな時?」
清水 「うーん、どうでしょう。家族みんなで食事をする時ですかね。昼食はみんなで集まって食事をしようとなんとなく決めているんです」
ルーカス 「やっぱりうどんを食べるの?」
清水 「はい、食べます(笑)。忙しいので短い時間ですけど、自分にとっては至福の時間なんです。ついニヤニヤしてしまうほど、幸せだなって」
ルーカス 「中島さんたちはどう?どんな時に幸せを感じる?」
美子 「息子が木の床の上でゴロゴロ寝るのが大好きなんですよ。そうすると『ママ、隣にゴロンして』と言われて一緒に寝転がっていると、『パパもゴロンして』と。そんな時は家族一緒に吹き抜けをぼーっと見ながら、やっぱりこの家は最高だねって話になるんです。すると犬もそばに寄ってきて、鳥まで近くにやってきて(笑)。そういう時間がとっても幸せだなって」
ルーカス 「鳥まで集まってくるなんて、イイね(笑)。それは間違いなく幸せの時間だね」

3. 「ワクワク」の先に広がる、新しい暮らし
ここで恒例のおやつタイム。清水さんが持参してくれたのは桐生市の名物「花ぱん」というお菓子。卵と小麦粉で焼かれたパンに蜜をかけて作られた、どことなく懐かしい味。そんなおやつを楽しみながら、話はどんどん深まっていく。

ルーカス 「二人の話を聞いていると、やっぱり決断とか直感って大事だなって思う。だって直感を頼りに思い切った決断をしなかったら今の暮らしは得られなかったわけだから。僕も日本で暮らすようになったのは、結局、直感を信じた結果だしね」

美子 「分かりやすく言うと、本当に自分がワクワクするかどうかってことなのかもしれません。日常の中で小さい選択肢がある時でも、自分はどっちがワクワクするかなってことを考えて、それを続けていった先にはとても楽しいことが待っているんだと思います」
清水 「とても共感しますね。私もおうどんを毎日作っていますが、お客様が喜んでくれるかなというワクワク感があるから続けられていると思うんです」
ルーカス 「じゃあ、二人のこれから予定しているワクワクはどんなこと?」
美子 「実は、これからどうしようっていう感覚があまりないんです(笑)。やっぱり大切なのは今なのかなって。この先、庭の手入れとか小さなことはあるんですけど、その日、その時に何をしたいかという気持ちを大事にしたいので」

ルーカス 「なるほど、いいね。清水さんはどう?」
清水 「はい、私はおうどんを通していろいろな人と繋がっていきたいですし、うどんの作り手がもっと注目され、誇りを持てる環境づくりをしていきたいと考えていて。それが私のワクワクです」
ルーカス 「情熱的で面白い。僕はいっぱいワクワクがあってここでは話しきれないかな。じゃあ、最後の話題になるんだけど、中島さん夫婦にとって家ってどんな存在?難しい質問だけど」
裕貴 「繰り返しになりますけど、やっぱり心を豊かにしてくれる空間ですね」
ルーカス 「WONDER DEVICEにして良かった?」
裕貴 「はい、もちろん(笑)。外壁のブラウンもとても気に入っています」

ルーカス 「美子さんはどう?家ってどういう存在?」
美子 「家族で大笑いしている日も、泣いている日も、家がずっと見てくれているような気がしています。もっと言えば、家自体が家族のようなものですね。この家は家族とずっと一緒に育っていくんだと思います」








BESSの家
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