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BESS × PAPERSKY

釣り中心の君津ライフ
理想の家で理想の暮らしを堪能する日常

One Japan ~ 47 Neighborhoods

日本各地にはそれぞれの魅力やオリジナリティがあり、それぞれの地域はつながりあい、影響しあいながら独自のカルチャーを育んでいる。 47Neighborhoodsは、そんな日本の各地方で実現可能な「クリエイティブで豊かな暮らし」をBESSとPAPERSKYが探す旅の物語。第四回目は千葉県君津市を訪ねた。

01/25/2023

千葉といえば海や湖沼。海や湖沼といえば釣り。そんなわけで今回は、千葉の君津で釣り好きの若き移住者と会うことに。東京・渋谷と静岡・焼津で二拠点生活を送るPAPERSKY編集長のルーカスも、今はちょうど、釣りに夢中。君津の暮らしと釣りと、理想のライフスタイルについて語り合うために、ルーカスは旧友のクリエイターを乗せて君津へ車を飛ばした。

訪れた人/ルーカスB.B.(PAPERSKY編集長)
訪れた人/猿渡大輔(えんどだいすけ)さん(フリーランスのグラフィックデザイナー/東京都内在住)
迎えた人/北畠蘭知亜(きたばたけらんちあ)さん(東京都内&千葉県君津市在住、BESSの家オーナー)


1. 趣味優先で、たどり着いたのがBESSの家



東京都内でウェブデザインを中心にデザインの仕事を行っていた北畠さん。ちょっとしたキッカケから君津にBESSの家を建てることになったというが、まずはその経緯から聞いていこう。家の中に入らせてもらうと、まるでショールームのように美しく、心地良い空間づくりが印象的。二階に上がると、まるで釣り道具屋さんばりの佇まい、物量に驚かされる。


ルーカス 「釣り道具がものすごいたくさん! 釣りでビジネスしてる人みたいに見えるね」

北畠 「釣りは小さい頃にはじめて、しばらく遠ざかっていたんですけど10年くらい前に再開しました。本業はウェブデザインなんですけど、もう20年くらいこの仕事を続けてきて、ちょっと飽きてきた部分があるというか。そういうこともあって自分ができるスキルを趣味の釣りとからめて、釣具のパッケージデザインをさせてもらったり、あとは自分で使うためのルアーとか竿がどんどん増えてるっていう感じでこういうディスプレイになってるんです(笑)」


ルーカス 「この家にはどういう経緯で住み始めたの?」

北畠 「家を建てる前から、もう釣りが好きすぎちゃって週に2、3回ほど、東京から房総に遊びにきてたんです。ダムで釣りするために。だけど交通費もそこそこ掛かるし、月に何回来てるかもわかんないくらいだったら拠点を作った方がいいんじゃないかって思うようになった。それで借家を探し始めたんだけどなかなかいい家が見つからない。そんなタイミングで釣り仲間の家に遊びに行ったんです。その家が滅茶苦茶いいなと思って。その方がBESSの家に住んでいたんですよね」

ルーカス 「それで自分も建てちゃおうと」

北畠 「ちょうどコロナが流行りだした時期っていうのもあって、なかなか他県に出かけるっていうのが難しい時期だったじゃないですか。そうなると釣りにも気持ちよく行けなくなっちゃって。それでもうBESSの家を建てちゃおうと」

ルーカス 「じゃ、今は二拠点なの?」

北畠 「そうですね。夏場はこっちにいることが多かったけど冬は初めてなのでどっちにいるのが多くなるのかまだわかんないんです。インターネットがあればどこにいてもおおよその仕事ができるっていうのもあって、千葉で釣りがしたい時期はこっちにいるという感じなんです」

ルーカス 「こっちに拠点を作ってどんな感じ?」

北畠 「家を建てるのははじめてだったから、どういう流れで家ができるのかまったくわかっていなかったんですよね。外構って何?って感じで、家を建てたはいいけど家の外はまた別なんだ?っていう(笑)。ここは芝を張りたいなとか、釣具はどうやって収納する?作業机もいい感じに仕立てたいなという感じで、自分で考えてやるってことがとっても増えた。大変だけどそうやって自力で環境を作るのがとても楽しいです。あとはやっぱり釣りですね。これはもう本当に最高で、ここから20分以内くらいにバス釣りのできるダムが4箇所ほど、あとは20~30分も南に行けば海釣りのできる場所がポンポンとあったり。ここにステイしている時はそうやって好きな場所で釣りができるってことだけでもう幸せですよね」



2. 釣りの魅力、サーフィンの魅力



北畠さんのハッピーな二拠点生活について会話が弾んでくると、もうひとりのゲストである猿渡さんがなんだかどんどん前のめりの姿勢に。聞けば、今まさに家を建てようかと迷っているそうで。


北畠 「猿渡さんもデザインの仕事をされているんですよね?」

猿渡 「そうなんです。最初はアパレルブランドでグラフィックとセールスプロモーションの仕事をした後、転職して『GORDON MILLER』というガレージ周りのプロダクトを展開するブランドのディレクションとかデザインなどをやっていて。2022年からは独立して、プロスポーツチームとか農家とかファッションブランドとか、様々なクライアントのためにデザインをしているんです。拠点は東京の目黒で」

ルーカス 「それで家を建てようとしてるんだよね?」

猿渡 「最近、結婚して次は家っていうタイミング。今の家が仮住まいだと思っているんで、どういう家にしようかと頭いっぱいで」

ルーカス 「どこで家を建てるのかな」

猿渡 「もう23区はいいかなって。妻は普通に都内へ会社勤めしてるんですけど自分はどこでも働けるし。だからできれば東京から離れてという選択肢も考えてるんです。ルーカスも二拠点だよね?」

ルーカス 「そう。僕は焼津に家があって今、ちょうど住みやすいように建て替え中。今は、半分が渋谷で半分が焼津っていう感じかな。どっちがいいっていうのは難しいけど全然違う環境なので仕事とかプライベートとか気分とかやるべきことに合わせて場所を移動できるのはいいよね」

北畠 「コロナ前はやっぱり渋谷とか青山の辺りに事務所があったらなんかいいっていう気分も正直ありました。そういう思いに縛られていたという感じかな。だけどやろうと思えば、ウェブデザインの仕事なんでどこででもできたはず。それがコロナをキッカケとしてどこでも行ける気になれた。それで釣りありきで、バス釣りのできる琵琶湖の近くがいいなとか、福岡で釣りを楽しむのもいいなと考え始めたんだけど、やっぱり仕事上、東京とのアクセスが良い場所っていうのはメリットがあって。それで君津がベストだなという結論になっていったという。ここを拠点にすれば末永く釣りを楽しめるだろうなって」

ルーカス 「わかる。僕も焼津に拠点を持つようになって釣りを真剣に始めようという気になった。あちこちに行って楽しむのもいいけど、田尻っていう浜が近くにあってそこで釣ればそのまま魚を持って帰って食べられるなって。いつも決まった場所で魚を釣って、食べられるようになれればうれしい。まだ4回位しかその浜で釣りしてないけど(笑)。猿渡さんは釣りは?」

猿渡 「まったくやったことないです。だけど海にはいつもいるんですよ。最近、サーフィンの写真を撮るのにハマってて。自分はフィンをつけて泳ぎながら友達が波に乗ってるシーンを撮る。完全に趣味なんですけど、今はそれが面白くて」

ルーカス 「釣りの面白さは全然、わかんない?」

猿渡 「うーん、どうなんだろ。サーフィンと共通する部分はあるのかなって思います。波乗りって気持ちいい時間は本当に一瞬で。結局、サーフィンも釣りも『待つ』っていうこと。その一瞬のために準備してなきゃいけないっていう。そうやって待つ中で悟り始めるというか、漂うというか。集中しながら待つ」

北畠 「わかる!冬場は丸一日やっても釣れないっていうのは珍しくないんです。ルアーはどれがいいかな?とか魚はどれくらいの水深の場所にいるかな?とか色々試してみるんですけどなかなか答えが返ってこない。でもその試行錯誤も楽しいですね」

猿渡 「そうですね。波に上手く乗れなくても海の上にいるだけで楽しいという」


3. 健やかな暮らしとは?



ここで、猿渡さん持参のお菓子が登場。千葉といえばピーナッツ!そのピーナッツを活かした「ピーナッツサブレー」。「とみい」のピーナッツサブレーはもう50年近くの歴史を有し、手作業で仕上げられたこだわりの一品。さくさくとサブレーを食べながら、会話はさらに弾んでいく。

ルーカス 「釣り糸を投げる時ってもう絶対釣れると思ってるわけでしょ。これ絶対くるなっていう。だから精神的にポジティブでいなきゃいけない。それは僕、とてもいいと思う。愛があって、夢がある(笑)」

北畠 「ワハハ。自分はね、すっごいネガティブ。どうせ釣れないんでしょとか思いながら投げてる。そうやってハードルを下げておくという」

猿渡 「僕もそうです。サーフィン行く時だって、こんな早起きしたとて、運転したとて、快感なんてどうせないだろうとか(笑)。だけど、今日もし海に行かなかった場合、後悔するだろうと思うとそれはそれでどうなのって(笑)」

北畠 「まったくその通り!じゃあなんで釣りしてるのっていう(笑)。だけど、釣りを続けてて自分にとってはすごくいいことが起きてるなっていう実感もあってですね。本来、なにごとも適当にできないタチで仕事とかではイライラすることが多かったんですけど、釣りが僕をおおらかにしてくれた。ラフな感じを許せるようになったというか」

ルーカス 「だけど家の中を見ると、ものすごく整頓されているし、DIYもきっちりやってるよね」

北畠 「整理するのは好きだけど、結構いい加減で(笑)小学生の頃からパソコンに触れてきて、デジタルの中だけで育ってしまったから、絵を描いたりモノづくりをするのが不得意で。DIYはアナログスキルが弱くて苦労しました。たとえばデジタルだと水平の線を書くっていうのは誰でもできるでしょ。だけど、棚板ひとつ取り付けるにしても水平をとるっていうのは難しい」

ルーカス 「うん、モグモグ(サブレーを食べる音)、わかる」

猿渡 「モグモグ」

北畠 「それがね、宣伝じゃないんだけど、BESSの家も関係してて」

ルーカス 「?」

北畠 「板を壁に適当にバンって貼り付けると曲がってんなあって。ちょっとミスって壁に傷つけちゃうってこともあったり。だけどね、そういうことすらも愛おしく感じられるんですよBESSの家は」

猿渡 「ふむふむ、モグモグ」

北畠 「現代的な家の便利さをどこまで求めて、どこまで不便を許容するかっていうそのバランス感覚がBESSの家の面白さだと感じてるんです。デジタル化が進んで世の中がとっても便利になったけど、便利さとか効率だけを追求してすべてがデジタルになればいいってわけじゃない」

ルーカス 「何をやるにしても、アナログの感覚は絶対必要だよね」

北畠 「そうそう、以前は完全デジタル人間だったけれど、この家に住んでからは仕事でもプライベートでもアナログとデジタルの中間でいつもバランスを探ってるって感覚がありますね。」

猿渡 「刺激を受けてます、まさに今。これからの自分の家に採り入れたい要素がたくさんありすぎて」

北畠 「これですってカチって決まってない雰囲気もBESSの家の気に入ってる部分かな。自分で作っていく感じが最高に楽しい」

ルーカス 「じゃあ、釣りもできるし、今はウキウキだね(笑)」

北畠 「ほんとに。今は希望しかないですよ(笑)」

猿渡 「だけど仕事も環境づくりも釣りもってなると忙しすぎるんじゃないんですか?」

北畠 「そうですね。本末転倒なんだけど、あれ?意外と釣りに行けてないぞって(笑)。家にいていろいろやるのが楽しすぎて、これから釣りの時間がもっともっと減っていくかも(笑)」

ルーカス 「それはそれでいいんじゃない?」

北畠 「そうそう、ライフスタイルも人生も、僕は先が全然読めてないし、読もうとも思ってないかも。流れに身を任せるというスタンスがいいと思ってるんですけどね」

猿渡 「そう思います。僕のテーマは精神的に、健やかに暮らすこと。家とか家族とか趣味とか仕事とか。そういうもの全部ひっくるめて健やかであればそれが一番だと思うし、自分もそういう暮らしをゆるやかに追求していきたいですね」

北畠 「ですよね〜。モグモグ(サブレーを再び)」

ルーカス 「モグモグ(お菓子が止まらない)」


BESSの家
https://www.bess.jp

text | Miguel Utsunomiya photography | Shuhei Tonami