Issue 60

HOKKAIDO
Drive

[ ゲスト ]
奈良美智 + 福田春美

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奈良美智さん、福田春美さんと北海道へ。人と大地の豊かさに触れるドライブの旅

日本でありながら、どこか異国へ誘われたかのような風景が広がる北海道。今回は、春夏秋冬、いつ訪れてもたくさんの驚きや感動のある北の大地へ、ロードトリップに出かけました。旅のゲストは、北国生まれで、北海道とも深いつながりのあるアーティストの奈良美智さんと、札幌出身のブランディング・ディレクター、福田春美さん。北海道を愛するおふたりと、個性豊かな人々に会いに、函館から道東、そして道北を目指す、ドライブ旅の特集です。

Editor’s Note

No.60 — HOKKAIDO(2019)

今、ここにある、北海道

文:ルーカス B.B.


ピクシーズの「Where is My Mind?」が、ブルメスター社のサウンドシステムから鳴り響いている。フレッシュな風が頬を撫で、速度は次第に上がっていく。そう、僕らはシリエトク(知床の語源)、つまりアイヌ語で“地の果て”を目指しているのだ。

 今回の「Drive」特集の目的は、“ファイナル・フロンティア”の島、北海道の「今」と「ここ」を探して巡ること。約2,000kmを車で移動しながら、「でっかいどう」とも呼ばれる、このとてつもなく広い北海道で、PAPERSKYらしい人々に出会うことだった。

 旅のゲストは、国際的に活躍するアーティスト、奈良美智さんと、ブランディング・ディレクターとして活動する福田春美さん。北海道をこよなく愛し、かの地と深い縁のあるふたりと旅することで、僕らはこの広大な大地を新たな視点で巡ることになった。

 青森県で生まれ育った奈良さんにとって、北海道は「過去の今」を感じられる場所だという。北海道の空気、建物、人々、自然は、彼の記憶を呼び覚まし、子どものころに戻らせてしまうというのだ。一方、北海道出身の福田さんは、ここ数年、生まれ故郷と再びつながり始めている。あまり知られていない北海道のクラフトや味に触れるたび、彼女は世界各地で見つけたアートや食が詰まったカバンに、新しい北海道を加えている。

 ドライブで北海道のなかへ入っていけばいくほど、見きれないほどにあふれる自然を目にすればするほど、「今」に意識が向くようになる。それは、この大地が、彷徨う思考をどこかへ飛ばし、「今」という濃厚な時間にグラウンディングさせてしまうからかもしれない。全粒粉のパンはより味わい深く、お米は甘く、アイスクリームはよりリッチで、花々はいっそう美しく感じてしまう。なんともいえない満たされた感覚。そして、この旅で出会った人々は、まさにそんな感覚で生きている人たちだった。

 テンカラ釣りのファッションを提案する「South2 West8」のふたり、モダンな木彫り熊を制作する「Page」、ファッションデザイナーのスズキタカユキさんとアーティストの高橋涼子さん、登山ガイドの伊藤典子さん、牛を描く画家の冨田美穂さん、そしてマジカルな、砂澤ビッキの木彫作品。本号は、シートベルトを締め僕らが会いにいった、「今」「ここ」に生きる人たちと過ごした旅の記録でもある。

Soundtrack

HOKKAIDO

PAPERSKY Soundtrack For Travelers
旅する音楽 北海道編


これから旅に出る人たちのために選んだ、架空の旅の音楽「PAPERSKY Soundtrack For Travelers 旅する音楽」。HOKKAIDO | Drive 特集に合わせてセレクトした珠玉のサウンドトラックです。

Selected by:
GOOD NEIGHBORS’ MUSIC VENDER

  1. SWEET THING / Van Morrison
  2. TO BE HERE / Grey Reverend
  3. BORN AT THE RIGHT TIME / Paul Simon
  4. SYMPATHY FOR THE DEVIL / The Rolling Stones
  5. JIM DODGE DINES AT THE PENGUIN CAFE / L. Pierre
  6. OPTIMISTIC / Sounds of Blackness
  7. NDEYE GUEYE / Herve Samb & Daniel Moreno
  8. TIME (feat. Sufjan Stevens) [Live at Reservoir Session] / Angelo De Augustine
  9. MARIANA / Seu Jorge
  10. CAN’T FORGET / Yo La Tengo

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