遠火でじっくり、ジビエの焚き火料理
山食材を使った野外料理は、仁淀川の支流、清らかな小川川の河原にて。まずは竹を組んでアーチづくり。古くから日本人の生活に欠かせなかった竹は、極めて有用な天然素材だ。ノコギリとナイフを器用に扱いながら、奈緒さんは、串、箸、ご飯を炊く竹筒、カップなどを次々に創作していく。
メインの食材は、猪肉、鹿レバーのジビエ肉。加えて新鮮野菜にハーブ、野草、Bunちゃんが釣った川魚も。さぁ何をつくる?


「猪ばら肉はチャーシューのようにぐるりと巻いて焼き、ソースや具材と一緒にサニーレタスで巻いて食べます。鹿レバーは、レバニラに。トマトと新玉ねぎはスープにして、アサツキのオイルをつくってそれをかけて食べたいな、と。川魚はやっぱりシンプルな塩焼きがいいかな」
料理のアイディアは、旅で出会った人たちの言葉をヒントに生まれる。スッと爽やかな香りのヤブニッケイでご飯を炊くとおいしいと教えてくれたのは、仙人こと、松岡さんだ。竹筒ご飯では、一節分の竹を使用。浸水させた米と水、そしてヤブニッケイを入れ、蓋を閉め、最初は強火であとはじっくり。水がふきこぼれないように水平にして炊くのがポイントだ。

次はジビエ。猪肉はどぶろく、柑橘、玉ねぎ、鹿レバーは牛乳に浸けてひと晩置く。ヤブニッケイとねぎを巻いた猪肉は、遠火でまんべんなく火を通し、同時進行で鶏がら出汁の野菜のスープも火にかける。熾火で焼くのは、川魚と芽キャベツ。合間には、香草の香りと酸味が食欲をそそるチミチュリと、葉ニンニクを刻んで混ぜたアイヨリソースの2種類のソース、トッピングとして、緑と赤のサルサを手際よく用意。最後は、鹿レバーを遠火で炙って、ツルボとニラを炒めたスキレットに投入すれば、完成。
乾杯は、イエルバブエナのミントと直七の果汁、黒糖シロップでつくった爽やかなモヒートで。素晴らしい夕げのはじまりだ。

