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Japanese Local Cuisine

漬物ステーキ(岐阜県)

minokamo

料理家・写真家のminokamoさんが、日本各地で出会った郷土料理を、レシピと共にご紹介。それぞれの地域で大切に受け継がれてきた料理には、土地の風土や暮らしの知恵が詰まっています。この先もずっと残していきたい “ニッポンのお母さんの味” を、ぜひお試しください。美味しく、楽しい時間となりますように。

01/27/2022

材料

白菜漬 … 130g

A(混ぜておく)
・卵 … 2個
・みりん … 大さじ1(砂糖小さじ1でも可)
・醤油 … 大さじ1/2

米油 … 大さじ1(オリーブオイルでも可)
かつおぶし … 適量



作り方

1. 白菜漬は長さ3cmほどにカットする。フライパンに油を入れて熱し、白菜漬を強火で炒め、フライパンの中央によせる。

2. フライパンの周りに卵を流し入れ、箸で1〜2回卵を混ぜる。卵が好みの硬さになったら、仕上げに鰹節をかけて出来上がり。フライパンのまま卓上でいただきましょう。
※卵は余熱で火が通りやすいので、手前で火を止める。

漬物ステーキは、鉄板やフライパンで漬物を油で炒め、卵焼きといただく岐阜県飛騨地方の料理。長く漬けた漬物は乳酸菌により酸味が出てきますが、油で炒めると漬物の酸味がまろやかになり美味しくいただける上に、卵焼きと合わせるとよりご馳走になります。

飛騨地方では冬の寒さで漬物が凍ることがあり、それに油を加えて煮る「煮たくもじ」(飛騨の方言で、くもじ=漬物)や、焼いて食べる文化がありました。漬物ステーキがいつ生まれた料理かはわかりませんが、卵が手に入りやすくなった時代に、生まれた料理なのかもしれません。居酒屋の定番メニューでもあるので、お店の料理と思われがちですが、専用の鉄板をお持ちの方もいるほど寒い時期に各ご家庭で食べられています。今は白菜、大根、人参など、色んな野菜を切って漬けた浅漬「切り漬」で作る方もいます。

日本にお住まいでない方で、白菜漬が手に入りにくいときは、大根やキャベツ、人参を切って重量の3パーセントの塩をビニール袋に入れ、空気を抜いてから1日以上置けば、浅漬けができますのでお試しを。かつお節の代わりに、炒りごまをかけても美味しくできますよ。


minokamo | 料理家、写真家
岐阜県出身。子供の頃、祖母と楽しく作った料理の思い出が料理活動のきっかけ。「ひと皿」の中にも、風土・歴史・暮らしが詰まっている各土地の料理を取材、執筆、アレンジなどしている。minokamoが各地の家庭訪ね料理をまとめた「料理旅から、ただいま」(風土社)発刊中。