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Japanese Local Cuisine

芋煮(山形県)

minokamo

料理家・写真家のminokamoさんが、日本各地で出会った郷土料理を、レシピと共にご紹介。それぞれの地域で大切に受け継がれてきた料理には、土地の風土や暮らしの知恵が詰まっています。この先もずっと残していきたい “ニッポンのお母さんの味” を、ぜひお試しください。美味しく、楽しい時間となりますように。

11/29/2021

材料(6人〜8人分)

里芋(中) … 7個程
牛コマ切れ … 200g
ごぼう … 1本
こんにゃく … 1枚
しめじ … 1パック
舞茸 … 1パック
長ねぎ … 1本
水 … 1000cc
日本酒 … 100cc
醤油 … 100cc
みりん … 100cc(砂糖大さじ2でも可)



作り方

1. 里芋は包丁の歯で皮をこそげとる。とりにくいときは皮をむいても可。一口サイズにカットして、沸騰したお湯に入れて再度沸騰したら30秒ほど茹でてザルにあげ、流水でぬめりをとる。

2. ごぼうは、荒いささがき、こんにゃくは手かスプーンでちぎり、長ネギは斜め切り(葉と白箇所を分けておく)にする。舞茸、しめじは石づきを除き、手でさいておく。

3. 鍋に水、里芋、ごぼう、こんにゃく、長ねぎの葉、牛肉50gを入れて加熱して沸騰したら、中火にしてよくよくアクを除きながら煮る。具材に火が通ったら、残りの牛肉、舞茸、しめじ、白ねぎを入れ、醤油を入れる。味見して味が薄いときは醤油を入れて調整したら出来上がり。翌日も味がしみて美味しい。

山形県の芋煮。秋になると職場で、友人と、子供会で親戚と、何かと河原に繰り出してみんなで食べるという大鍋で作る「芋煮」は、里芋が穫れる時期、秋の収穫祭という名の宴でもあります。今回は芋煮発祥の地とされる最上川沿い中山町出身の方から作り方を教えていただきました。町内では「鍋掛松」という老松があり、昔は船頭たちの休み場で河岸の松の枝に鍋を掛けて、芋煮を作り食べたそう。芋煮の時期、材料を購入するお店では、大鍋とレジャーシートも無料で貸してもらえるほど、芋煮を作る環境が整っています。

材料は、まずは里芋、牛肉はできるだけお手頃で脂が沢山あるものが美味しく作るコツ。里芋はおどけなく(信じられないほど)ぬめりが出るので、家で作るときは軽く茹でて流水でぬめりを除きます。芋煮はいろんな種類がありますが、大きく分けると中山町などの内陸は醤油と牛肉、海側の庄内では豚肉で味噌味が一般的です。芋煮のしめは、カレーうどんにするのが定番。こうして汁も綺麗に完食します。山形ではなぜ皆さん揃って、芋煮を作るのかなと思っていましたが、これから来る長い冬に備えて、秋は美味しく!楽しもう!とされているのかもと考えると、素晴らしい鍋ですね。私も初めて作ってみると、やはり空の下でいただきたくなりました!芋汁を囲み、仲間と秋を楽しむ山形の温かい文化は良いな、と美味しい芋汁をいただきながら思いました。


minokamo | 料理家、写真家
岐阜県出身。子供の頃、祖母と楽しく作った料理の思い出が料理活動のきっかけ。「ひと皿」の中にも、風土・歴史・暮らしが詰まっている各土地の料理を取材、執筆、アレンジなどしている。minokamoが各地の家庭訪ね料理をまとめた「料理旅から、ただいま」(風土社)発刊中。