
材料(4枚分ほど)
身欠きニシン(本乾、半乾どちらでも) 10本
山椒の葉 お玉1杯分程
A
・醤油 … 150cc
・酢 … 150cc
・みりん … 150cc (日本酒でも可)
・米の研ぎ汁 … 400cc

作り方
1. ニシンは水で洗い、頭と尾とヒレを除く。容器にとぎ汁と、ニシンを入れ冷蔵庫で半日寝かす(臭みをとるための作業ですが、近年は状態が良いため略しても可)ニシンを水で洗い水分をキッチンペーパーで除く。



2. Aを鍋に入れて加熱し沸々したら火を止める。加熱中、アルコールから火が出ることがあるので注意。液を冷ましておく。 (アルコールが気にならないなら2の工程を略しても可)
3. 容器に、山椒の葉を敷き、その上にニシン、山椒の葉と重ねて入れ、2の液を注ぐ。上に重しか皿など置き、ニシンが液に浸かるようにする。容器がない時は、空気を抜いたビニール袋でも可。



4. 3日間ほど冷蔵庫で漬けたらカットして山椒を添えていただきます。 冷蔵で2週間ほど保ちます。



福島県会津でにしん漬、山椒の香りがふわり美味しい。ご自宅に招いてくださり、会津の地酒と美味しくいただきました。身欠きにしん(干しにしん)を調味料と山椒の葉で漬け込んだ、会津の郷土料理。会津に滞在中は居酒屋、蕎麦屋など、にしん漬と各所で出会い、甘さや硬さはそれぞれ特徴があります。地元の食材店では、色んな種類の身欠きニシンが並んでいました。よく乾かして硬い「本乾」、水分が少しあり柔らかい「半乾」の主に2種類あります。スーパーで出会った80代のお母さんにお尋ねしたところ「私が子供のころは、これよりももっと硬い石のようなニシンだったのよ」と教えてくれました。冷蔵設備がない時代は、より水分を飛ばして保存性を高めたのでしょう。海がない会津で、ニシンは貴重なたんぱく質でもありました。山椒が穫れる春から初夏に作られていますが、今は山椒を冷凍して年中作る方もいるようです。
ニシンを漬ける道具で外せないのが、茶色の飴釉で焼かれた「ニシン鉢」、会津美里町の「宗像窯」が代表的な窯元です。今はプラスチックなどの容器で作ることもありますが、この器が温度と気温を調整してくれるためニシンがより美味しくなると言われています。何よりニシン鉢に入った姿は見た目にも美味しそうです。漬け込む専用の鉢があるほど、会津の人たちにとって欠かせない一品。ニシンは本乾で作ると、ぎゅっと旨みが凝縮された歯応えある仕上がり、半乾で作るとしっとりやわらい仕上がりになります。身欠きニシンがあれば簡単に作れるので、私も山椒の時期になると会津の楽しかった旅を思いだしながら作っています。

minokamo | 料理家、写真家
岐阜県出身。子供の頃、祖母と楽しく作った料理の思い出が料理活動のきっかけ。「ひと皿」の中にも、風土・歴史・暮らしが詰まっている各土地の料理を取材、執筆、アレンジなどしている。minokamoが各地の家庭訪ね料理をまとめた「料理旅から、ただいま」(風土社)発刊中。
