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Japanese Local Cuisine

こねり(大分県)

minokamo

料理家・写真家のminokamoさんが、日本各地で出会った郷土料理を、レシピと共にご紹介。それぞれの地域で大切に受け継がれてきた料理には、土地の風土や暮らしの知恵が詰まっています。この先もずっと残していきたい “ニッポンのお母さんの味” を、ぜひお試しください。美味しく、楽しい時間となりますように。

09/25/2023

材料(2〜3個分)

ゴーヤ(小) … 1本 (250g程)
茄子(小) … 2本 (1本120g程)
にぼし(中) … 5尾
ごま油 … 大さじ4

A   (混ぜておく)
・みそ … 大さじ4
・みりん … 大さじ4

B(混ぜておく)
・薄力粉 … 大さじ2と1/2
・水 … 大さじ6



作り方

1. 茄子は縦3本皮を剥き、縦半分にカットしたら厚さ1cmに斜めきりにし、水に浸しアクを抜く。ゴーヤは縦半分にカットし、スプーンで種とワタを除き、幅5mmにカットする。煮干しは、頭と腹ワタを除き手で細かくほぐす。(小さい煮干しの場合は、そのままで良い)

2. フライパンにごま油とほぐした煮干しを入れ中火で熱し、じわじわしてきたら茄子を強火にして炒め、ゴーヤも入れる。

3. 茄子の一部がしんなりしてきたら、A の味噌を入れ混ぜ、水分を飛ばし、B を入れ混ぜ、とろみがついたら出来上がり。そのままで、もしくはご飯やそうめんにのせていただきます。

温泉の街、大分県別府市では初めて伺った家で急遽おもてなしいただいたり、おじゃまして早々ご自宅の温泉風呂にまで入れていただいたり、皆さんフレンドリーで数日の滞在で楽しい輪が広がり、郷土料理も沢山の方から教えていただきました。その中で、今回は夏の料理「こねり」をご紹介します。ごま油でいりこを炒めたら、茄子とゴーヤを入れ味噌で味付けし、仕上げに小麦粉でとろみをつけるという、小麦粉文化のある九州らしい一品。小麦粉のとろみが野菜と味噌の旨味を閉じ込め、とろんとした食感が、食欲ない夏でも食べやすいのです。ご家庭によっては、ピーマンや豚肉を入れたり、醤油で味付けすることもあります。

地域により「こねり」を「オランダ」とも言います。江戸時代、オランダと交流があった長崎県が近いですし、当時は炒める調理法=西洋料理、となり名称がオランダとなったのかもしれません。食材は日常にあるものですが、初めて体験する調理法は、とろみの中にゴーヤの苦味もほんのりきいて、美味しさに驚きました。そのまま食べてもよいですし、そうめんや、ご飯に乗せたりと、夏に重宝する一品です。



minokamo | 料理家、写真家
岐阜県出身。子供の頃、祖母と楽しく作った料理の思い出が料理活動のきっかけ。「ひと皿」の中にも、風土・歴史・暮らしが詰まっている各土地の料理を取材、執筆、アレンジなどしている。minokamoが各地の家庭訪ね料理をまとめた「料理旅から、ただいま」(風土社)発刊中。