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Japanese Local Cuisine

ぼうぶらずうし(長崎県)

minokamo

料理家・写真家のminokamoさんが、日本各地で出会った郷土料理を、レシピと共にご紹介。それぞれの地域で大切に受け継がれてきた料理には、土地の風土や暮らしの知恵が詰まっています。この先もずっと残していきたい “ニッポンのお母さんの味” を、ぜひお試しください。美味しく、楽しい時間となりますように。

01/26/2023

材料(2人分)

A
・かぼちゃ … 1/8個(種を除き200g程) 
・豚バラ肉ブロック … 30g (豚バラ肉スライスでも可)
・米 … 1合
・水 … 500cc
・塩 … 小さじ1/2


うす口醤油 … 大さじ1(醤油でも可)



作り方

1. 豚バラ肉は、荒みじん切りにして塩をかけ混ぜて、10分ほど置いておく。お米はといでザルにあげておく。かぼちゃは、皮をむき(皮は一部残っていてもよい)一口サイズにカットする。

2. 鍋にAを入れて中火で煮る、沸騰したら弱火にして蓋をし、ときどき木ベラで混ぜながら10分ほど煮たらかぼちゃを木ベラでざっくり潰す。 

3. さらに5分ほど煮たら、うす口醤油を入れ混ぜ出来上がり。

「波佐見焼」と呼ばれる器の産地のひとつということで訪れた、長崎県東彼杵郡波佐見町。町にはたくさんの窯元があり、波佐見町の鬼木棚田という地区には、名の通り段々畑に田んぼやお茶畑も広がっていました。その地で教えていただいたのが「ぼうぶらずうし」。聞いたことのない名前で、最初はどんな料理か想像できませんでした。「ぼうぶら」は、かぼちゃのことでポルトガル語が語源と言われています。「ずうし」は、おじや。つまり、かぼちゃのおじや。ここに、鯨の塩漬も入れてコクを出しています。もともと、長崎では捕鯨が盛んだったこと、またお肉が手に入りずらかった時代には、鯨の塩漬がタンパク質や料理のコク出し食材として重宝されました(九州や東北でも鯨の塩漬料理があります)。

作り方は、かぼちゃ、米、水、塩抜きした鯨の塩漬で煮て、うす口醤油を入れます。鯨の塩漬は手に入らないことも多いので、今回は豚のバラ肉で代用しました。ベーコンでも美味しくできます。ぼうぶらずうしは、イタリア料理のリゾットにも似ていて、かぼちゃの色が美しく、鯨のコクが味のポイント。お米を煮る時間は、硬めに仕上げてリゾットのようにしたり、やわらかく煮ておじやのようにしたり、お好みでどうぞ。


minokamo | 料理家、写真家
岐阜県出身。子供の頃、祖母と楽しく作った料理の思い出が料理活動のきっかけ。「ひと皿」の中にも、風土・歴史・暮らしが詰まっている各土地の料理を取材、執筆、アレンジなどしている。minokamoが各地の家庭訪ね料理をまとめた「料理旅から、ただいま」(風土社)、新刊「粉100、水50でつくる すいとん」(技術評論社)発刊中。