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Japanese Local Cuisine

さんが焼き(千葉県)

minokamo

料理家・写真家のminokamoさんが、日本各地で出会った郷土料理を、レシピと共にご紹介。それぞれの地域で大切に受け継がれてきた料理には、土地の風土や暮らしの知恵が詰まっています。この先もずっと残していきたい “ニッポンのお母さんの味” を、ぜひお試しください。美味しく、楽しい時間となりますように。

07/26/2022

材料

鰯 … 3尾 (3枚おろしにすると約180g / 鯵、秋刀魚、鯖でも可)
みそ … 大さじ1
皮付き生姜 … スライス4枚 
青じそ … 6枚  
オリーブオイル … 大さじ1



作り方

1. 鰯は頭を除いて3枚おろしにする。鰯の中央の骨は手でとることもできる。生姜はみじん切りにする。
※鰯は最後細かく切るので、魚を捌くのが苦手な方でも大丈夫。

2. 3枚おろしにした鰯を、幅1cmにカットしたら、包丁で上からたたくようにして身を細かくし、みそ、生姜を入れたたきながら混ぜる。

3. (2)がねっとりしたら手で丸め、青じそを表面につける。

4. フライパンに油を入れて熱し、弱めの中火で両面焼いたら出来上がり。
※なめろうにする場合は、鰯の皮はむく。

さんが焼きは、海の幸が豊富な千葉県房総半島の漁師料理。木更津の魚屋さんに教えていただいたことがありました。新鮮な鯵をさっと捌いて、薬味、味噌を包丁で、トトトン!と何回もたたいて細かくします。これで、千葉県の郷土料理「なめろう」の完成。刺身のねっとりした美味しさに、ご飯も日本酒もすすみます。元々は漁師たちが船の上で作った料理で、皿を舐めたいほど美味しいことからこの呼び名がついたと言われています。

「さんが焼き」は、さらにここから作業します。たたいた鯵を手で丸めて紫蘇の葉をつけ、フライパンで焼いて出来上がり。青魚と味噌、薬味の風味とのバランスが良い一品です。漁師が山へ仕事に行くときに、余ったなめろうを持ち、鮑の殻で焼いて食べたのが「山家(さんが)焼」のはじまりとも。千葉の魚料理といえば、なめろう、さんが焼きはもちろんですが、鯵フライも大好きです。


minokamo | 料理家、写真家
岐阜県出身。子供の頃、祖母と楽しく作った料理の思い出が料理活動のきっかけ。「ひと皿」の中にも、風土・歴史・暮らしが詰まっている各土地の料理を取材、執筆、アレンジなどしている。minokamoが各地の家庭訪ね料理をまとめた「料理旅から、ただいま」(風土社)、新刊「粉100、水50でつくる すいとん」(技術評論社)発刊中。