Connect
with Us
Thank you!

PAPERSKYの最新のストーリーやプロダクト、イベントの情報をダイジェストでお届けします。
ニュースレターの登録はこちらから!

Japanese Local Cuisine

ムーチー(沖縄県)

minokamo

料理家・写真家のminokamoさんが、日本各地で出会った郷土料理を、レシピと共にご紹介。それぞれの地域で大切に受け継がれてきた料理には、土地の風土や暮らしの知恵が詰まっています。この先もずっと残していきたい “ニッポンのお母さんの味” を、ぜひお試しください。美味しく、楽しい時間となりますように。

05/27/2022

材料(それぞれ小5個分)
※好きな色だけ1色にしても

 <白ムーチー>
白玉粉 … 100g 
砂糖 … 50g 
ぬるま湯 … 90cc 前後 
月桃の葉 … 5枚  

<かぼちゃムーチー>
A
・大豆 … 100g
・白玉粉 … 100g 
・砂糖 … 50g 
・蒸して潰したかぼちゃ(皮除く) … 50g

ぬるま湯 … 40cc 前後 
月桃の葉 … 5枚  

<黒糖ムーチー> 
黒糖 … 60g 
白玉粉 … 100g 
ぬるま湯 … 90cc 前後 
月桃の葉 … 5枚  

<抹茶ムーチー> 
抹茶 … 1g 
白玉粉 … 100g 
砂糖 … 50g 
ぬるま湯 … 90cc 前後 
月桃の葉 … 5枚

作り方

1. 月桃の葉は洗って拭いておく。

2. A の材料、ぬるま湯を入れ、手で練りながら耳たぶより少し柔らかいくらいに練る。 月桃の葉を裏返しにし、サラダ油(分量外)をペーパーなどで塗る(葉から餅を剥がれやすくするため)

3. 生地を5等分にして長細くし、葉の中央にのせたら、左右、上下を折りたたみ紐で縛る。

4. 蒸器で10〜15分ほど蒸したら出来上がり。出来立ても美味しいですが、数時間した方が葉から剥がれやすい。翌日固くなったときは、レンジ等で温め直すと良い。 
※今回は味によって、包み方や紐の色を変えました。

沖縄育ちの岐阜で働く青年に、沖縄料理で食べたいなと思う料理を尋ねてみると「ムーチー」と「スーチーカー」と教えてくれました。スーチーカーは豚の塩漬で、とてもお酒がすすむものだそう。今回作ってみた「ムーチー」は、独特の華やかな香りがする月桃の葉(カーサー)で包んだ鬼餅や餅のこと。「ムーチーガーサー(お餅を包む葉)」とも呼ばれています。月桃の葉は殺菌作用があり、アガラサー(黒糖蒸しパン)などにも使います。沖縄では旧暦12月8日は「ムーチーの日」で、ムーチーを食べて厄払いをします。この日以外でも、年中定番のお菓子として売られています。家で作るときは、何十個ものムーチーをこしらえるとか。もち粉をベースに、味は、プレーン、紅芋、黒糖が定番で、コクのある風味のピーナツ入りもあります。

今回は、月桃の葉を取り寄せて、もち粉より柔らかさが続く白玉粉でほんのり甘い生地にし、手元にあった黒糖、抹茶、かぼちゃ、白色の4種を作ってみました。蒸し始めると、台所は月桃の葉の香りで満たされます。沖縄育ちの方たちに食べていただくと、懐かしい!と喜んでいただけて、私も嬉しい。記憶に残る美味しい匂い、故郷や家によってそれぞれですね。


minokamo | 料理家、写真家
岐阜県出身。子供の頃、祖母と楽しく作った料理の思い出が料理活動のきっかけ。「ひと皿」の中にも、風土・歴史・暮らしが詰まっている各土地の料理を取材、執筆、アレンジなどしている。minokamoが各地の家庭訪ね料理をまとめた「料理旅から、ただいま」(風土社)発刊中。