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Human Nature

友だちから広がる
ナチュラルワインの輪

 

03/26/2021

高橋心一さんは、ナチュラルワインショップ&バー、Human Natureを日本橋兜町で営んでいる。店舗はコーヒーロースター、SRと同じ敷地内にあり、北欧クラフトビール専門店のOmnipollos Tokyoと隣接している。この店は、数多くのワインプロジェクトに携わっている高橋さんが最近オープンした店舗だ。

高橋さんは愛知県岡崎市出身。もともとは、特にワインに関心が高かったわけではない。度重なった偶然の出来事から、ワインにはまってしまったのだ。きっかけは、高校卒業後に移住したニュージーランドでイタリア人の友人と一緒に住んだことだった。日本に帰国後、サラリーマン生活にうんざりした彼は、イタリアのUniversity of Gastronomic Sciences(食科学大学)へ留学。この留学体験が、彼のワイン熱に拍車をかけた。

その後、在学中にディストリビューターでインターンをし、単にワインやフードについての見識を高めるだけではなく、素晴らしいワイナリーを訪れるチャンスに恵まれたことで、彼のワイン熱は頂点に達した。ワインづくりに携わる人々のコミュニティ、ライフスタイルに強く惹かれた高橋さんは、次第にワインというものは、味わいということだけでは言い尽くせない、もっと大きな魅力を秘めているのではないかと考えるようになった。そして、そろそろ日本でも、自分のリラックスしたライフスタイルを投影したナチュラルワインショップを開店できるのではないかという予感を抱き始めていた。

高橋さんはイタリアから帰国すると、拠点を東京に移し、高円寺でナチュラルワインショップの経営を開始した(その後、中野に移転)。

店舗を開店すると同時に、高橋さんはポップアップイベントにも積極的に取り組み、結婚式、音楽フェス、青山の国連大学前で毎週末開催されるファーマーズマーケットにも出店。ワインを冷やすために、バケツに大量の氷を詰め込んで、彼が愛する世界各国のワインを販売した。

一年半前、高橋さんは、三輪ミニトラックを購入し、モバイル・ワイン・スタンドもスタートした。最大時速40kmというスローな乗り物だが、友だちにワインを振る舞うために、いつでも気楽に出かけていけるし、何よりもみんなでワイワイ、楽しくワインを楽しむには最高の乗り物だ。

「ナチュラルワインって、カウンターカルチャーっぽいですよね。みんなが楽しめる飲み物だと思います。ディストリビューションのネットワークも、たくさんの友だちの輪から成り立っているんです」と高橋さんは語る。

Human Natureには、イタリア、フランス、オーストラリア、その他各国のワインが取り揃えられている。

「扱っているワインの大半はフランス産ですが、イタリアのものもたくさんありますよ」と高橋さん。また、希少価値が高いワインも取り扱っている。人気のあるワインを販売すれば、売れ行きはいいだろうし、より多くのお客様を獲得することができるだろうが、高橋さんはまだ日の目を見ていないワインにも光を充てたいと思っている。

「今、私が店舗を営んでいる場所の一角には、かつては70年以上にもわたってこの街の人たちに愛されてきた、有名なうなぎ屋さんがあったんですよ」

高橋さんの経営するHuman Natureと周辺のお店は、急速に次世代のコミュニティのハブ的な存在となっている。機会があれば、ぜひこの店を訪れて、東京の新しいコミュニティのかたちを感じて欲しい。

HUMAN NATURE
日本橋兜町にある、ナチュラルワイン専門のワインショップ&角打ちスタンド。