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ハイキングと温泉とビールと

ディープ茨城で出会う静寂

吾国山・愛宕山ハイキングコース

登山、温泉、麦酒の三位一体
高原の空気、温泉の湯けむり、そして地元のビール。
登る、癒す、渇きを潤す
山々に囲まれ、温泉で癒され、ビールで乾杯。

01/26/2024

茨城県でハイキングといえば、筑波山。けれど関東平野はるか向こうの高尾山と同様、高い人気を手放しに喜ぶわけにはいかない。というのも、行き帰りのバスも登山道も温泉も定員オーバーだからだ。都市部から比較的近いけれど人気のないコースを求めて、ハイキング仲間2人とともに常磐線友部駅へ。友部駅で水戸線小山行に乗り換えると、陶器の町「笠間」のすぐ先の福原駅で下車。

今日のハイキングは吾国山・愛宕山コース。筑波山の北西、福原駅から岩間駅に沿って連なる標高600mほどの低い連山を歩くコースだ。福原駅を降りて線路をわたると、道標に沿って集落や田畑を抜け吾国山麓に向かう。分かりやすいとは言い難いが、登山道までの行き方を道標は控えめに教えてくれる。

ようやく吾国山登山道入り口にたどり着くと、そこから植林された杉の森の中を登り、美しいブナの原生林を抜け、山頂の田上神社に到着。

ここからの眺めは、茨城の田園風景と地平線にそびえる栃木の峰々の頂が素晴らしい。

短い休憩後、なだらかなハイキングコースをしばらく進むと、難台山(553m)頂上へと再び上昇。頂上は絶好のランチスポットだ。腰を下ろすスペースも十分にあるし、希少な角度から筑波山や周辺の山々を眺めることもできる。

その筑波山とは対照的に登山者はまばらで、昨日の雨にもかかわらず登山道はぬかるみ知らずだ。

難台山を過ぎると、登山道は愛宕山に向かう。比較的なだらかな道中には、生い茂る美しい樹木のほか、「屏風岩」や「獅子ヶ鼻」と名付けられた巨大な奇岩が点在する。獅子ヶ鼻は、およそ6000万年前にマグマが地下で固まってできた花崗岩。

起伏のあるルートを進みながら息を整えつつ、仲間と互いにこの静けさを確かめ合う。聞こえるのは鳥のさえずりと、ごくたまに通り過ぎる登山者のみ。

愛宕山頂上で最後の小休止をとり、下山を開始。長い山道を降りていくと、やがて果樹園と水田に囲まれた小さな集落、泉へと続く。ここからスマートフォンの地図をたよりに歩くこと20分、今日のもう一つの目的地「石岡健康センター」に到着。

ここは日本の普通の温泉とは一味違う。自慢は数種類の風呂にヒノキサウナ、レストランに加え、今や全国的に希少になりつつある「大衆演劇」だ。歌舞伎の要素を取り入れた演目で全国からファンが集まる伝統芸能を鑑賞できる。さらになんと、入り口にはミニ・パチンコパーラーまで!

湯船でリラックスした後は岩間駅までタクシーを頼み、上野行き常磐線に乗車。登山のご褒美にと、土浦駅で途中下車し「IBARAKI佐藤酒店」へ。

角打ちスペースもあるこの酒店では、日本酒や焼酎、ワイン、おつまみのほか、地元産福来みかんを加えたさわやかな「だいだいエール」含む常陸野ネストビール5種を生で楽しめる。もちろん、途中下車せず無数の飲み屋をわたり歩ける上野に行くのもオプションだ。

画像提供 : IBARAKI佐藤酒店

今日の歩行距離は20km超。山登りに熱い湯、美味いビールの組み合わせは、「最高」としか言いようがない。長い夏が終わり、秋が来てその涼しさにホッとすると同時に、これからの6ヶ月間はハイキングにうってつけの季節。

ハイキングと温泉とビールと、この三位一体の次の計画を立てよう。