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EDITOR’S NOTE
No.63 — KYUSHU(2020)

ごちそうは、食と景色

ルーカス B.B.

 

10/30/2020

たとえば「ヨセミテ国立公園」と聞けば、雄大な岩山の風景や壮大な滝が脳裏に浮かぶだろう。では「日本の国立公園」と聞いたら、何を思い描くだろうか?……浮かんでこない。そこで僕らは、日本の国立公園のビジョンを見つけ出そうと旅に出た。なぜなら、国立公園に指定されたエリアはとても魅力的だし、その土地で長く暮らしてきた人々の営みや文化の魅力も伝えたいと思ったからだ。

日本の国立公園に光とビジョンをもたらすことを目的に僕らが目を向けた先は、九州本土にある国立公園。火山活動が活発で、山々がそびえ立ち、無数の島々が点在し、清らかな渓流や湧き水、海と川が交わる汽水域……そう、九州は大地の息吹を感じる場所なのだ! しかも九州本土には、西海国立公園(長崎)、雲仙天草国立公園(長崎・熊本)、阿蘇くじゅう国立公園(熊本・大分)、霧島錦江湾国立公園(宮崎・鹿児島)と4つの国立公園が存在する。

こうして僕らは、旅の相棒「GORDON MILLER」のバンに荷物を詰め込み、九州を目指すことにした。旅のゲストは、すばらしき手描きの世界を表現するアーティストのチョークボーイと、おいしい食材を求めて日本各地を旅する「青果ミコト屋」の鈴木鉄平さん。彼らと九州の国立公園を探検する目的は、美しい風景を写真に収めて紹介するだけでなく、読者の心にそれぞれの国立公園を印象づけるための方法を探ること。つまり、九州の国立公園のビジョンを明確に打ち出せば、人々はきっとそのビジョンに魅了され、実際にその土地を訪ねたくなるだろうと考えたわけだ。

そのための方法は、(1)各公園のすばらしい風景を撮影すること。(2)チョークボーイが各公園の景色をポスターに描くこと。(3)公園周辺の農家や漁師、生産者(醤油や味噌、マスタード、ジャムや醸造所)を訪ね、その土地のスペシャルな食材でサンドウィッチをつくること。

そんな目的をもって旅に出て、5つのサンドウィッチが生まれた。食欲をそそる、それぞれのサンドウィッチ。この特集をかじって読んだら、九州という大地と、各国立公園を形成する、自然と味と文化に、心を奪われてしまうだろう。さあ、「ごちそうは、食と景色」の旅へ。

PAPERSKY no.63 | KYUSHU’S NATIONAL PARKS
九州の4大国立公園を巡り、各地の「食」をサンドウィッチで味わうロードトリップへ。旅のゲストは「CHALKBOY」こと吉田幸平さんと「青果ミコト屋」鈴木鉄平さん。