Connect
with Us
Thank you!

PAPERSKYの最新のストーリーやプロダクト、イベントの情報をダイジェストでお届けします。
ニュースレターの登録はこちらから!

EDITOR’S LETTER
No.71 — MIYAKO ISLANDS of OKINAWA(2024)

暮らしの旅

ルーカス B.B.

 

11/29/2024

今号では地球上で最も美しい場所のひとつ、沖縄県宮古島を探検する旅に出た。

月曜日から旅をスタートさせ、まずは多くの宮古島人がするように御嶽を訪ねた。この土地のスピリットに敬意をはらい、その存在に挨拶をする。旅はここから始まった。翌朝、滞在している赤瓦の家に掛けられた日めくりカレンダーをめくる。火曜日だ。「HASABA COFFEE」で焙煎したてのコーヒーを味わい、「長崎たまご園」でオーガニック卵を調達し、ゴーヤチャンプルーをつくった。それから持参した吉本ばななの文庫本を数ページ読み、仲間としばし談笑した後、散髪でもしようかと町に出る。

この日、最後の客だったようで、床屋の主人は僕らを釣りに誘ってくれた。釣り糸を垂らしながら夕日を堪能し、地元のアーティストで友人の新城大地郎を迎えるため帰路に着く。大地郎は伝統的な織物、宮古上布を身にまとって現れた。泡盛を飲み交わし、満天の星空の下であくびをして大きく伸びをするとベッドに向かった。

水曜日、木曜日と、暦をめくり、島の人々との出会いや出来事を回想する。そして気づけば、日曜日。

今回の旅の目的は、「ローカルのように暮らす」こと。島の自然や文化、人々をとおして、暮らしのヒントを吸収していくのだ。そして、宮古の島々のより深いところへと入っていく。7日間の旅を終えたころには、僕らも島の風景の一部となり、「暮らしの旅」の本質に触れられる。

滞在中の日課として、宮古島市立図書館を訪ねた。宮古島や沖縄の郷土資料や書籍が充実したフロアがあり、そこで僕は、約600年前、沖縄諸島と奄美群島には3人の王の存在があり、ふたつの強国に統治されながらも、500年もの間、調和を保ち共存していたことを知った。そしてこの地域は、日本、中国、タイ、インドネシアなどからもたらされた物資やアイデア、音楽、食、文化の坩堝となり、琉球王国の洗練された文化が築かれていったことも知った。

この多様で創造的な琉球王国の心部に触れられるのが宮古島だ。「暮らす旅」の体験と島の歴史、知識が絡み合い、僕はこの土地の過去、現在、未来と結ばれたように感じ、鳥肌が立った。まるで島と一体となったような感覚だった。

今号はアーティストの松本妃代さんと写真家の加藤雄太さんをゲストに迎え、ローカルのように島の日常を探検した旅。ぜひあなたもゲストと同じような視点でページをめくってみてほしい。

PAPERSKY no.71 | MIYAKO ISLANDS of OKINAWA
長い歴史と深い文化をもつ沖縄・宮古島。今回の特集は、澄んだ海と大自然の中を暮らすように旅しよう。旅のゲストにアーティストの松本妃代さんと写真家の加藤雄太さんを迎え、宮古島の日常を体感する1週間をご紹介。