最近、鹿児島からフェリーに乗る機会があったので、フェリーの美しさ、そしてそのロマンチックな側面について今回は記したい。
フェリーを利用する場合、2つのオプションがある。高速で目的地に移動できる、ジェットフォイル。もしくは、ゆっくり、のんびりと移動する昔ながらのフェリーのいずれかだ。時間を気にせずにゆっくりと船旅を楽しみたい時は、昔ながらのフェリーが一番。
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けたたましい音を立て、ぎこちない動きでフェリーが入港すると、埠頭で到着を待ち受けていた大勢の旅行者たちが一斉に乗船を始めた。船内に入ると、レトロな雰囲気のユニフォームに身を包んだ元気いっぱいのスタッフが出迎えてくれる。船内をよく把握している人、どこに何があるのかよく分からないのに、知っているような素振りをする人、乗船客のタイプはさまざまだが、どんな人に対してもスタッフは気持ちよく対応している。
船内には畳のある和式のスペース、色あせたピンク、パープル、イエローのソファが印象的なコーヒーラウンジ「ブーゲンビリア」、オープンエアの座席、トップデッキの座席、ライブラリー席など、くつろげる場所がたくさんある。
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いよいよフェリーが出港し、船内でアナウンスが始まった。
「船酔いになられたお客様はインフォメーションカウンターまでお越しください。無料でお薬を提供いたします。ライブラリーもオープンしておりますので、ぜひご利用ください。そばとうどんの売店の開店時間は9時から10時、そして、11時15分から11時45分までです。シアター、お土産店、ゲームルームもオープンしており、甲板も解放されています」。
わずか4時間の旅で、すべてまわることができるだろうか。
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かつて、島国の日本では、旅行においても、輸送業においても、フェリーが重要な役割を果たしていた。今では、悲しいことに陸路による移動の利便性が勝り、旅行においても、空路を好む人が増えている。人気があった航路も無くなってしまっているものも多い。
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イルカを眺めるだけでは物足りないと思う人にも、「オリーブライン」や「フェリーさんふらわあ」などのフェリーによる旅は、素晴らしい経験になるはずだ。飛行機よりも食事がおいしくて、ビールの値段も安い。そして、自分の自転車や車ごと乗船して目的地に移動することもできる。
フェリーに乗ると、気持ちにゆとりがでて、さまざまな情報に耳を傾けたり、これまでのことをいろいろと振り返ってみる時間ができる。
もし日本国内の島々を旅する機会があるならば、ぜひフェリーに乗ることをおすすめしたい。
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