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URBAN RESEARCH DOORS presents

日本のつくり手

木工職人 佐々木允

URBAN RESEARCH DOORSが、PAPERSKYと共に日本各地を巡り、その土地に根ざしたモノづくりを続ける職人をクローズアップする ”CRAFTSMAN SERIES”。

08/18/2023

十勝平野の中心、帯広から車で30分ほど。北海道の雄大な自然の中にひっそりと佇む廃校に到着すると、職人の佐々木允が出迎えてくれた。「工房 十勝の木のうつわ」を立ち上げた父親と二人、ここで制作を行なっているという。

校舎の中は、これからうつわになる木材が至るところに積み上げられていた。丸太の状態のもの、半分ほど削られた途中段階のものが山ほどある。

「1回でうつわの形にしてしまうと歪んでしまうので、時間をかけるんです。丸太で買ってきて、短いもので2、3年、長いものは10年以上乾かします」

削る行程は荒ぐり、中ぐり、仕上げの3段階。歪みが出ないよう、一つの行程を終えたらしばらく寝かす。木のうつわができあがるまでには長い年月を要するのだ。使用するのは十勝をはじめとした北海道の樹木。セン、ハルニレ、キハダ、エンジュ・・・・木の種類は30を越える。

「木のうつわの魅力は、木目の美しさ。そして割れにくく、軽い。香りも楽しめます。」

一つ一つ異なる木の個性を捉え、対話するように形を整えていく。廃校の廊下に轆轤が回る音が轟いていた。

<PAPERSKY no.57(2018)より>

工房 十勝の木のうつわの食器
URBAN RESEARCH DOORS
PAPERSKYとともに日本各地のものづくりを紹介。地域にフォーカスしたポップアップイベント「SHARE THE LOCAL」も話題に。