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今、日本のクラフトビールが楽しい!

 

06/04/2021

日本でクラフトビールの人気が高まってきたのはここ数年のことだ。今、日本で最も人気のあるアルコール飲料はビールだが、ビールが日本酒の売り上げをはじめて上回ったのは1967年。その後もビールが首位をキープしているのは、大規模なマーケティングキャンペーンに加え、アサヒ、キリン、サッポロなどのメジャーブランド商品をコンビニや居酒屋で気軽に飲めるようになったことが主な要因だ。その中でも、クラフトビールの占める割合は、ビール市場全体での2%ほどしかないといわれている。

1994年、法律の制定によりアルコール飲料醸造に関する条件が変更され、クラフトビール醸造に関するルールもクリアになった。1997年には、117棟ものクラフトビールの醸造所ができたが、残念ながらホップ豊かで、より洗練されたクラフトビールを楽しむ土壌が、日本のマーケットにはまだ整っていなかった。その後、2000年~2013 年の間には、クラフトビール醸造所の閉鎖数は開業数を上回っていたが、今では時代による嗜好の変化もあり、すっかりその状況も変わり始めた。2013年からは、クラフトビールを扱うお店も増えて、年を経るごとにビールのクオリティも上がり続けている。ここでは、それぞれの地域の特徴を活かした4つのブランドをご紹介したい。




YOROKOBU PALE ALE(Produced by SPICE)

函館の特産品でもある真昆布を使用したユニークなペールエールスタイルのクラフトビール。昆布を加えたことで、ホップが引き立ち、よりシャープな味わいに。開発者であるSPICEは「昆布の濃度や、ビールのさまざまなスタイルを変えた試作品をつくりました。最終的に出来上がった商品は、あまりビールとペアリングする機会がないシーフードにも、ぴったり調和する味わいのビールとなりました」と語る。醸造を委託しているRISE&WIN Brewing Co.は、地域に根ざしたビールづくりに取り組み、ごみゼロを目指す「ゼロ・ウェイスト」を実践するビール製造販売会社。ビールに使用する昆布も、出荷する際に生まれる昆布の切れ端を使うことで、フードロスの削減に努めている。

このビールが飲めるお店: will o’ wisp(幡ヶ谷)
魚介のコンフィなど、このビールにぴったりの絶品のシーフードと一緒にどうぞ。




Bread(AJB Co.とbricolage bread & co.のコラボレーション)

レストラン L’effervecenceのシェフ生江さんのベーカリーbricolage bread & co.と、「530week」の中村元気さんの紹介で出会った、長野のクラフトビール醸造所「AJB Co.」とのコラボレーションにより生まれた「Bread」。原料にこだわり、国産小麦でつくられたカンパーニュ「ブリコラージュブレッド」。そのパンでオープンサンドをつくる際に出るパンのみみを使用し、フードロス問題に取り組みながらも、あらゆる試行錯誤を重ねて「おいしい」をつくることをテーマに生まれたのがこのビールだ。ローストされたパンの香ばしさと、ライ麦の風味を活かしたさっぱりとした味わいが特徴的。

このビールが飲めるお店: bricolage bread & co.(六本木)
ビールに使用されているライ麦カンパーニュとの組み合わせもおすすめ。




志賀高原ビール其の十/NO.10 Anniversary IPA (玉村本店)

志賀高原ビールの十周年を記念して生まれた「十番目のIPA」である、志賀高原ビール其の十。自家栽培の酒米を使用した、スッキリとして飲みやすく、華やかな香りとフルーティーな味わいだが、インペリアルIPAらしい豊かなホップとしっかりとしたボディを感じるビールだ。酒米を使用することで、全体がまとまりのある旨味として広がっていく。長野県にある醸造元の玉村本店では「自分たちが飲みたいビール」をコンセプトに2005年からホップを自社生産し、この地の風土を活かした酒造りを行っている。 

このビールが飲めるお店:北沢小西(下北沢)
ポップコーンや日本料理との相性も抜群なので、ぜひお試しを。




箕面ビール桃ヴァイツェン

この「箕面ビール桃ヴァイツェン」はカルト的な人気を博しているビールだ。「桃ヴァイツェンが愛されるのは、おそらく、日本人には馴染みのあるピーチネクターを思い出して、懐かしさを感じるからではないでしょうか」と三軒茶屋でクラフトビールが飲めるレコード店、Small Worldを経営している田中智紀さんは語る。桃ヴァイツェンは4品種(早生、白鳳、清水、川中島)発売も品種ごとに4回発売され、飲み口は優しく柔らかく、口に含むと鼻から抜ける香りに桃を感じるが、甘さは残さずキレのあるビールとなっている。先代の跡を継いだ女性ブリュワーである大下香緒里さんが代表取締役を務める箕面ビールは、味のバランスを考え毎日楽しめる「デイリーなビール」を目指してつくられている。

※「桃ヴァイツェン」は夏のシーズナルビールのため、発売期間が7月末~9月末(10月初旬)までとなります。

このビールが飲めるお店:三軒茶屋のSmall World
ヴィーガンポテトサラダとのペアリングもおすすめ。




※今回はご紹介したビールは、時期によっては入手できないことがありますのでご了承ください。