移住を決意させた鮮魚のポテンシャル
昨年の6月に広島から焼津に移り住み、店をオープンさせた西さん。前田尚毅さん(サスエ前田魚店)との出会いは、西さんの広島での修行先でサスエ前田魚店の魚を仕入れるようになり、その担当になったことから。
「いろいろと魚のことを教えていただいたり、魚がすごく綺麗に仕立てられていたりして、すごい魚屋さんだなという印象でした」
その後、独立し、初めて前田さんを訪問したときの経験が、移住を決意するきっかけとなった。
「連れていっていただいたSimplesで、その日の午後に上がったもち旨鰹を食べて、衝撃を受けました。広島にも送ってもらっていたのですが、こんなに違うのかと。そういう鮮度の魚を自分も使いたいと思ったんです」
シグネチャーである「鮮魚のパイ包み」は、もともと西さんのスペシャリテだったが、「こちらに来てから、ここでしか食べられないパイを目指すようになりました。金目鯛や太刀魚など、入るものが日によって違っているのですが、生のシラスを入れるのは前田さんのアイデアです。そういう発想はフレンチの料理人である僕にはないので、アドバイスをいただけるのはありがたいですね」という。
焼津に来てからは、魚のクオリティの高さに日々驚かされているというが、「今はまだこちらの食材について知らないことが多いのですが、ゆくゆくは地産地消を目指していきたい」と今後の抱負を語ってくれた。
馳走西健一
焼津市西小川4-8-9
TEL:054-625-8818