Section 1 北品川〜広尾(9km)
東京を代表する古木が一堂に
早朝、and wanderのふたりと北品川にある品川神社で落ち合った。品川神社は東海道五十三次の第一の宿場町であり江戸の玄関口としておおいににぎわった品川宿の守護神。その起源は東海道よりもさらに古く、なんでも源頼朝が海上交通の安全を祈願して創建したというから、なんだか縁起がよさそうだ。そんなわけでここを「TOKYO TREE TREK(TTT)」のスタートに定め、御祭神と境内の古木に旅の安全をお祈りする。60kmのハイキングの始まりだ。
同じ東海道の土山宿から移植した「街道松」を眺めながら、品川宿の風情が残る商店街を歩き、「しながわ百景」のひとつで桜の名所としても知られる御殿山庭園を経て、五反田方面へ。起伏に富んだ地形を活かした回遊式庭園の池田山公園を越え、休憩スポットである「国立科学博物館附属自然教育園」に至る。都内屈指の自然林を誇るこちら、いわゆる植物園や庭園とは違い、自然のなりゆきに任せた独自の方法で管理しており、園内の森では巨木化したスダジイやタブなどの常緑広葉樹の下に低木や野草が生育していた。なんとも豊かな林相が広がっているが、これが東京本来の植生なのだ。
続く八芳園ではみごとな盆栽が連なる「盆栽ロード」を散策。樹齢500年のシンパクの存在感ときたら!その先の高輪で待ち構えている、東京一ユニークな古木が「旧細川邸のシイ」だ。住宅街の一角に突如、現れるのは妖怪のようなスダジイで、推定樹齢は300年以上。かつて赤穂浪士が切腹を命じられた肥後熊本藩の細川家の下屋敷があったというから、この古木は忠臣蔵の一部始終を目撃したのかもしれない。
「東京三大イチョウ」ともいわれる麻布・善福寺の「逆さイチョウ」は、樹齢750年、国の天然記念物。1232年、ここを訪れた親鸞上人が杖を地に刺したところ、このイチョウがすくすくと育ったのだとか。赤穂浪士のスダジイと親鸞の逆さイチョウ、シンボリックな2本に圧倒されてセクション1を終えた。
■Tree Spot
・品川神社
・品川宿
・御殿山庭園
・池田山公園
・自然教育園
・八芳園
・旧細川邸
・高松くすのき公園
・麻布山 善福寺
・有栖川宮記念公園
【TOKYO TREE TREK(TTT) ROUTE MAP】
PAPERSKYが創案した、東京の樹木をつないで歩く約60kmのトレイル。江戸の玄関口として旅人を迎えた品川宿(北品川)を起点に、時計回りに渦を描くようにぐるりと巡り、江戸城のあった皇居を目指して歩くオリジナルルートです。