

山口県東部の主要都市である岩国市。日本三名橋のひとつとして知られる「錦帯橋」や、美しい清流錦川など、観光名所としても人気のエリアだ。今回はこの土地に生まれ育った河野さんファミリーのBESSの家を訪ねた。この連載では初めてとなる「栖(すみか)ログ」に、取材チームも興味津々。
PAPERSKY編集長のルーカスに同行したのは、山口県長門市にある約600年の歴史を有する長門湯本温泉で街づくりの仕事に従事する白石千里さん。ユニークなログハウスである「栖ログ」での暮らしについて、皆で語り合う楽しい時間が始まった。
訪れた人/ルーカス B.B.(PAPERSKY編集長)
訪れた人/白石千里さん(長門湯本温泉まち株式会社エリアスタッフ。山口県長門市在住)
迎えた人/河野浩行さん、やよいさん(山口県岩国市在住、BESSの家オーナー)

1. 趣味に没頭するための一軒家が欲しい!
JR新岩国駅から車で約20分。道中、かの有名な錦帯橋で寄り道をした後、河野さんファミリーの家に到着。周囲の景観に溶け込むような美しい家の隣には何やら小さな小屋も見える。この地で河野さんはどんな暮らしを実践しているのか。早速、お邪魔して話を聞くことにした。
ルーカス B.B.(以下、ルーカス) 「なんだか周囲の風景にこの家の景観がバッチリ合ってるよね。『栖ログ』に訪れるのは僕たち初めてなんだけど、シンプルで落ち着いていていい感じだね。自分の家が欲しいと思ったのはどんな理由だったの?」
河野浩行(以下、浩行) 「結婚してしばらくは賃貸でもいいかなと思っていたんですけど、僕の趣味がレザークラフトだったこともあって、本格的にクラフトを続けていくにはやっぱり一軒家が欲しいと思うようになって」

ルーカス 「敷地の中に母屋とは別の小屋があったね。あそこでレザークラフトをやってるの?」
浩行 「はい。趣味で財布やカバンなどをレザーで手作りしていて。今では『Atelier Lust』という名のブランドとして販売もしているんです」


ルーカス 「仕事は別にあるのに、趣味でここまでやるのはすごいね」
浩行 「はじめはレザーシューズの靴磨きにハマって、次に靴の修理に興味が移っていったんです。それがキッカケでレザークラフトにのめりこんで、今では手作りで財布やカバンを作る楽しさに目覚めてしまって。仕事は福祉職なんですけど、それとは別に将来的には副業ができたらいいなとも思っていたので、レザークラフトに出会った時は自分にピッタリだなと直感的に思いました」
白石千里(以下、白石) 「まさに夢を実現した感じですね」

ルーカス 「それで、どういう経緯でBESSの家を選ぶことになったの?」
浩行 「自分たちの家があったらやっぱりいいねという漠然とした話をしたら、妻がBESSのことを教えてくれて」
河野やよい(以下、やよい) 「山口県内では実物を見られるLOGWAY(展示場)がなかったので、広島まで見に行ったんですよ」
浩行 「LOGWAYに行くまで、家を持ちたいという考えが固まっていなかったんですけど、実物を見たらもうBESSの家が欲しいという気持ちが一気に高まっていって。家自体も素晴らしかったんですけど、どんな生活ができそうかというイメージが具体的になるようなスタイリングが心に刺さりました。家の見せ方ですね、決め手は」
やよい 「だけど、LOGWAYに初めていった時はまだ『栖ログ』が発売されていなかったんです」
浩行 「そうそう。それで、その後、いくつかのハウスメーカーも見たんですけどピンと来なくて。やっぱりBESSがいいなと思っていたらちょうどタイミングよくここから車で30分くらいところでBESSの家の見学会が開かれていたので出掛けて行ったんです。妻は平屋がいいという希望だったので、まだどの家にするか迷っていたところ、ラッキーなことに『栖ログ』が発売されて、もうこれだねっていうことで家を建てることが決まっていったんです」

2. シンプルだからこそ快適な「栖ログ」の魅力
平屋と小屋とログハウスの要素が融合する「栖ログ」。暮らしやすいシンプルな構造でありながら小屋裏部分もあり、ユーザー次第でオリジナルのライフスタイルを構築できそうな雰囲気が充満していた。河野さんがどうして「栖ログ」を選んだのか、深掘りしていく。
ルーカス 「この土地はどうやって探したの?」
浩行 「『栖ログ』に決めてから、BESSの担当者の方が土地を探してくれたんです。僕らは岩国で生まれ育ってこのエリアに暮らしたいと思っていたんですが、BESSの方が『栖ログ』に合う土地を岩国で見つけてくださって。担当の方のお人柄もBESSを好きになった大きな理由でした」
ルーカス 「土地探しまでやってくれるのはすごいね」

白石 「実際に『栖ログ』を見て、どんなところが気に入ったんですか?」
浩行 「シンプルで可愛い外観も気に入ったんですけど、家の中に入ってみるとお風呂とトイレ以外、ほとんど扉がなくて本当に筒抜けな感じ。この家なら子どもの成長をしっかり見守れるなと思いましたし、何より楽しい暮らしができそうだなと感じたんです。子どもが大きくなった後、多くの部屋は必要ないだろうとも思っていたので、僕たちにはピッタリでした」

白石 「驚いたのは、家の中に物がとても少ないこと。私は生まれ育った家に今も暮らしているんですが、昔ながらの民家なので、物がたくさん。だからスッキリとした河野さんの家を見てなんだか暮らしやすそうだなと感じたんです」
やよい 「私の育った家も物がたくさんあって、それとは真逆の生活に憧れがありました。家が小さいと毎日の掃除が隙間なくできるのもいいなと思いましたし、シンプルで快適なスペースを保つために自然と物を置かなくなりそうだなと感じたんですよね。以前の夫は靴をコレクションすることがひとつの趣味だったんですが、この家に住むようになってコレクションはもうなくなりました(笑)」
浩行 「物を置かないようになって、ミニマルな生活の快適さを発見した感覚です」

ルーカス 「アメリカは平屋が多いけど、それともまた違うイメージだね。この『栖ログ』はシンプルで広すぎず、空間を有効に使える気がする。日本のスタンダードな家って自分の部屋がそれぞれあってひとりひとりが部屋に閉じこもっちゃう印象だけど、それとは真逆の一体感がいいね」
白石 「家が広くて部屋も多いと、家の中で家族がバラバラになる時間が増えるんですよね」
ルーカス 「アメリカでも日本でもとっても小さいタイニーハウスがちょっとした流行になってるよね。家がコンパクトだと自然とシンプルな生活になっていって、住んでいる人の気持ちもスッキリしてくるから人気が出てるんだと思う。この『栖ログ』はタイニーハウスほど小さくないけど、ミニマルな雰囲気があって、見た目も気持ちもスッキリとした生活ができそうだと思う」
やよい 「そういう感覚はとてもありますね。極力、物を置かないことでいつも身軽な感じがしています。無駄な物はすぐに捨ててしまう性分なので、家の中には本当に物が少ないんです」


ルーカス 「純粋な平屋ではないから小屋裏も使えて便利そうだね」
やよい 「そうですね、子どものおもちゃとかは小屋裏に置いて、1階はベッドなどは置かず、マットレスを毎日、敷いて寝ているので、十分、広々と使えています。自分にとっては物を置かないことも大事なんですけど、何より家族の存在を近くに感じられるような家がいいなと思っていたので、この『栖ログ』は本当に理想の家ですね」
ルーカス 「BESSの家に暮らしている人たちはお洒落な見せ収納を実現しているケースが多いけど、河野さんの家はとっても新鮮に感じる。コンパクトでシンプルな家だと家族の距離が縮まるっていうのは素晴らしいよね」

3. とにかく早く帰りたくなる、マイホーム
ここで、白石さんが持参したおやつの時間。山口では広く知られる和菓子の名店「おほげつ」の「おふく」は、もちもちとした食感、優しい甘さが印象的なういろうのお菓子。ほのかな甘さを感じながら岩国という土地の魅力やこの地で暮らす喜びなどについて話は展開していった。

ルーカス 「岩国の魅力ってどんなところだと思う?」
白石 「自然も豊かで素晴らしいし、人も魅力なんです。控え目で優しい人が多い印象ですね」
浩行 「そうですね。それと、この場所は意外に便利なんですよ。岩国市街まで車で30分くらいですし、高速のICが近いのでたとえば広島などへもすぐ行ける感覚です」
ルーカス 「移住先としても人気がありそうだね」
浩行 「そうですね、新たに移住してくる方も多いと思います」
ルーカス 「移住者ってその地域を元気にするよね。ワクワクした気持ちを地域に注入してくれる気がするし、そのワクワクが地域に広がっていく。ワクワクした地域で暮らしている人はいつもワクワクした感覚を持ちながら生活できる」
白石 「田舎の古民家は最近、人気ですけど、その理由は木でできているということが大きいですよね。木で作られた家ってやっぱり落ち着きますし。こんな素敵なログハウス、憧れます」
ルーカス 「僕、昼寝が大好きだからこの家に住んだら気持ちよく昼寝できそうだなってさっきから思ってた(笑)。河野さん夫婦が暮らしの中で幸せを感じるのはどんな瞬間なの?」
やよい 「家にいる何気ない時間も大好きですし、夕ご飯を食べた後、子どもと近所を散歩する時間も気に入ってますね。私にとって頭が整理される時間なんです」

浩行 「とにかく家にいる時間が大好きですね。レザークラフトに没頭している時間や家族と一緒に過ごす毎日の時間。そういう時間を体感できているのでやっぱり『栖ログ』にしてよかったなとあらためて思いますね」
ルーカス 「自分の家が好きっていうのは人生においてとても大切なことだよね。二人にとって家ってどういう存在なの?」
やよい 「一言で言うなら『楽園』ですね。とにかく落ち着けて楽しい場所。この家は私にとってそういう存在なので今は大満足です」
浩行 「僕にとっては、『早く帰ってきたくなる場所』ですね。この家で暮らし始めてから、どこへ出掛けてもすぐ帰ってきたくなるんです。それくらい居心地が良くて、仕事が終わったらとにかく急いで帰る毎日です」
ルーカス 「僕も『栖ログ』、欲しくなっちゃった。今日はありがとう!」









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