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ニセコから世界へ フォトグラファー渡辺洋一

スキーに魅せられ、北海道・ニセコに移り住んで写真を撮り続けているフォトグラファー・渡辺洋一。彼の写真には、雄大なバックカントリーの美しさと、その美しさに魅せられた滑走家たちの姿が写し出されている。バックカントリー・スキー […]

01/05/2010

スキーに魅せられ、北海道・ニセコに移り住んで写真を撮り続けているフォトグラファー・渡辺洋一。彼の写真には、雄大なバックカントリーの美しさと、その美しさに魅せられた滑走家たちの姿が写し出されている。バックカントリー・スキーとは、自然と触れ合うことを目的とし、人工のスキー場でなく自然の森や林の中を滑るもの。ニセコのパウダースノーは世界的にも有名で、多くのスキーヤー・スノーボーダーが集まってくる。渡辺さん自身「スキーのためにニセコに移住し、スキーを滑ることを中心に生きている」というほど、 雪山を愛してやまない。そんな彼が、滑走家として、同じライフスタイルを持つ人々の旅と日常を撮ってきた写真の数々が、写真集「雪山を滑る人」として12月に発表された。
写真集には、ニセコをはじめ、北米、オセアニア、ヨーロッパ、北欧など世界中で撮った滑走写真が収められている。「被写体は雪山やそこを滑る滑走家たちですが、一つの事を長く追いかけ、向き合っている者の視点や世界観を感じて頂ければと思います。そして地球には雪が降る場所がある事を知ってほしい」と彼は話す。
旅と好きな場所について渡辺さんに伺った。「世界中に旅をしても、結局は雪山に登り、滑ることをやってます。何処に行っても同じ事を繰り返しています。しかし、そこには、初めて見る風景が広がります。僕にとって旅とは町、海、山、人を視ること、そして滑ることです。その場所に好みをつけるのは難しいけど、数多くの印象に残り、通った場所をあげるのなら“アラスカ”を選びます。そこには無限に連なると思うほどに山があり、人影も少ないのです。とても旅心をくすぐります。そして、人が作ったスキー場ではなく、 雪山の急斜面を滑走します。そのような雪山が多くあり、ワイルドな自然があるアラスカに惹かれます。」
写真集にはアラスカをはじめ、カナダ、ノルウェー、スイス、アルゼンチン、ニュージーランドなど、渡辺さんが魅せられた世界各地の雪山の写真が掲載されている。撮ることとともに、滑ることの魅力を知る彼だからこそ、その写真は多くの人々の心を魅了する。渡辺さんは、ニセコで「ウパシツアー」というスキーガイドを主宰している。森の中のコースをガイドしながら、滑っている姿を写真・ビデオ撮影してくれる。写真集を手に取れば、雄大なバックカントリー・スキーを自ら体験してみたくなることだろう。
[プロフィール]
渡辺洋一(わたなべよういち)スキーヤー/写真家
1966年生まれ、北海道・ニセコ在住。雪と人とのかかわりをテーマに写真を発表。国内外の雑誌、広告に作品を寄与。写真集『NISEKO POWDER』(2006年、須田製販)、『HIRAFU NISEKO』(08年、東急リゾートサービス)を発表。2004〜2005年には写真展「雪と太陽へ」を東京・青山と北海道・倶知安で開催。映像作品『ruwe』『ruwe _』『rawne』(2000年、03年、05年、Upas filims)を発表。写真撮影ガイド「ニセコウパシ」主宰 www.upas.jp
写真集「雪山を滑る人 -Gliders of The Snow Mountains」
写真/渡辺洋一 造本/町口 覚 発行/実業之日本社 2009年12月9日発売