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Winery Ride 飲んで漕いで、ワイナリー・ライド|Oregon Cycling 02

オレゴン州はワインの一大産地である。その歴史は1840年代に遡るというからなかなかのものだ。代表的な産地のひとつが、冷涼、高湿の気候が特徴のウィラメット・ヴァレー。ウィラメット川流域は「ワイン・カントリー」と呼ばれ、革新 […]

01/14/2020

オレゴン州はワインの一大産地である。その歴史は1840年代に遡るというからなかなかのものだ。代表的な産地のひとつが、冷涼、高湿の気候が特徴のウィラメット・ヴァレー。ウィラメット川流域は「ワイン・カントリー」と呼ばれ、革新的なワイナリーが優れたピノ・ノワールをつくっている。おまけに、一帯には「ウィラメット・ヴァレー・シーニック・バイクウェイ」という風光明媚な自転車道も整備されている。 自転車でワイナリーを巡り、オレゴンワインを味わおう! というライドのスタートは、セーラムの北に位置する小さな街、インディペンデンス。ウィラメット川を渡ってヘーゼルナッツの林を抜けると、牧草地とブドウ畑に囲まれたのどかなバイクウェイが現れる。途中、レストランを併設するワイナリーが2軒あるので、ここで小腹を満たそう。
さて、このライドのゴールは、「Illahe Vineyards & Winery」。ここでようやく、ライドの案内人のキャシー・グレイスミスが登場、施設内を案内してくれる。「イルヒー」とはチヌーク語で“土壌”、“地球”を表すそうだが、ここでは土づくりからブドウ栽培、ワイン醸造までを、可能なかぎり伝統の方法を用いて行っている。土地の自然の勾配を利用した畑は灌漑しておらず、雨水を貯めて散水。ブドウの収穫はすべて手摘み、畑からワイナリーまでの運搬を馬車が担うことも! 特に「1889」は「大量生産化以前の技法をそのまま踏襲する」という特別なキュヴェで、一切の電力を用いずに醸造している。「できるだけ人の手を加えない、自然のあるがまま。それがうちの理念なの」とキャシー。ちなみに、ここで彼女が乗る自転車は移動用ではなく、醸造タンクからワインを汲み上げるためのポンプなのであった。
 
» PAPERSKY #61 OREGON | Cycling issue