暮らしの一部としての織物|サルデーニャの手仕事(4)

島のちょうど真ん中あたりに位置するサムゲーオは、サルデーニャにおけるテキスタイルの中心地だ。島でつくられる織物のうち、じつに90%がこの町で生まれるのだという。 Laboratorio Tessile Artigiano […]

07/28/2014

島のちょうど真ん中あたりに位置するサムゲーオは、サルデーニャにおけるテキスタイルの中心地だ。島でつくられる織物のうち、じつに90%がこの町で生まれるのだという。
Laboratorio Tessile Artigianoは、1960年代から続く老舗の工房。現在は創業者のスザンナ・フロンジアの娘、イザベラさんが工房を継いでいる。「かつてサルデーニャの女性は、暮らしの一部として織物をたしなんでいました。私たちも母の真似をして、小さなころから織り機に親しんでいたわ。そもそもテキスタイルとは、趣味の側面ももった家庭内の仕事でした。たいていの家には織り機があり、女性たちが家族のために機を織る姿はとても日常的な光景だったのです」。
工房では、民俗博物館に陳列されていてもおかしくないような織り機で、ちょうどスザンナさんが作業中だった。聞けば100年前につくられた織り機だとか。バタン! バタン! と大きな音で機織りしながら、信じられないほどの細かさの刺繍をすごいスピードでほどこしている。傍らの幅4mもある織り機も迫力があった。4人がかりで動かすのだが、全身運動の力仕事であることは想像に難くない。
なにかと鳥のモチーフが散見されるサルデーニャだが、テキスタイルも例にもれず。それはどこかアフリカや南米の雰囲気にも似ている気がするし、刺し子は青森のこぎん刺しを思い起こしたりもする。実際、いろいろな国の影響を受けていまのスタイルになっているそうだが、そのことこそが、いちばんのサルデーニャらしさになっているのだろう。
Laboratorio Tessile Artigiano
Via Gramsci 8, Samugheo
TEL: 0783 64050
» PAPERSKY #44 Sardegna | FOOD Issue (no.44)
Photography: Luca Gabino Text: Mick Nomura