Day2 白老~鹿追~大樹|鹿追町「page」の工房で、手仕事に触れる

2日目は、白老町から大樹町へ。その途中にある、鹿追町で「page」として活動する木工作家・高野夕輝さんと指輪作家・佳子さん夫妻のアトリエを訪ねた。壊れた牛舎を改造した大きな工房で、長男の峰くんと長女の桃子ちゃん、家族みん […]

10/08/2019

2日目は、白老町から大樹町へ。その途中にある、鹿追町で「page」として活動する木工作家・高野夕輝さんと指輪作家・佳子さん夫妻のアトリエを訪ねた。壊れた牛舎を改造した大きな工房で、長男の峰くんと長女の桃子ちゃん、家族みんなで迎えてくれた。もともと大阪の「graf」で働いていた夕輝さん。現代美術作品の制作や家具製作を担当していたが、2012年に故郷の北海道に戻ることを決め、日高山脈を遠くに望める鹿追町に移り住むことにした。大阪にいたころから木彫り熊を集めていたが、なかでも八雲の木彫り熊と出会い、ルーツをたどるうちに、その魅力に惹かれた。
「八雲熊はペザントアート(農民芸術)。農閑期の収入源だけではなく、“暮らしのなかに芸術を”、と彫り始められたことに感銘を受けて。いつしか僕自身の“北海道の熊”をつくりたいと思うようになりました」と夕輝さん。家具をつくっていたときから“削る”というシンプルな行為が好きだった。現在手がけている木彫り熊や日高山脈シリーズは、独特の面取りでひとつひとつに存在感がある。そびえ立つ山、そこに生息する熊、それぞれの存在を身近に感じているからこそ、削り出す線やフォルムに愛情と個性がにじみ出る。
一方、grafでインテリアデザインを担当した後、彫金を学んだ妻の佳子さん。現在は、オーダー制の18金のマリッジリングを制作する。今は子育てをしながらではあるが、じっくりとひとつの指輪に向き合える時間を大切にしている。
昼食の時間が近づき、夫妻にぜひ行ってほしいとおすすめのパン屋「toi」を教えてもらう。車に乗り込み、別れを告げる。見渡す限り何もない一本道で車が加速した後も、一家はしばらくの間、手を振り続けてくれていた。
 
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