いとうせいこう ベランダの植物から世界を考える

『ボタニカルライフ』や『自己流園芸ベランダ派』などの著作を持ち、自宅マンションのベランダに植物を育てる “ベランダ園芸家” としても知られる、いとうせいこう氏。ペーパースカイ本誌でも、植物をテーマ […]

02/05/2010

『ボタニカルライフ』や『自己流園芸ベランダ派』などの著作を持ち、自宅マンションのベランダに植物を育てる “ベランダ園芸家” としても知られる、いとうせいこう氏。ペーパースカイ本誌でも、植物をテーマにしたエッセイを連載し、四季の移ろいから人生観まで、植物に向き合いながら感じることを綴っている。「植物による癒し。それはまさに、植物を育てたことのない人のタワゴトである」とその中に書いているように、春には薄緑色のツルを急激に伸ばす藤の花に生命力の狂気を感じ、夏にはサンパラソルが茂るベランダでビニールプールに足を浸して涼をとりながら、思惑通りにからまないゴーヤのツルに手を焼く。秋にはベランダの緑がいっせいにギアチェンジしたことに気づいて鳥肌を立て、冬には立ち枯れた植物の姿に輪廻の象徴を見る。人間の力が遠く及ばない世界に生きている植物たちは、そのベランダの主に時には恐怖すら感じさせる。育てる楽しさだけでなく、そうした植物の闇の部分も身近に感じられるのが、ベランダ園芸の魅力なのかもしれない。
そんな植物とお互い楽しくやっていこう、というコンセプトで、いとうせいこう氏が監修を務めるのが、ウェブ上の植物専門チャンネル「Plants+」(プランツプラス)。園芸だけではなく、生活の中にある植物(家具や建物も木だし、食べるものも、お茶もお酒も、そして吸っている酸素だって植物が作り出したもの!)という広い視点で、豊富な動画コンテンツで伝えている。毎月第一月曜には、いとうせいこう、ルーカス他、「Plants+」に関わるゲストが出演するライブストリーミングも放送されていて、毎回旬の植物の話に花が咲くとともに、その場で口ロロやレキシといったアーティストの貴重な音楽ライブが行われることも。
また、新しく始まった「Plants+ network」は、植物ファンの為の植物情報ネットワーク。メンバーとして参加することで、全世界の植物ファンとつながることができる。登録した自分のブログに植物のことを書くだけで、自動的に植物のキーワードが入っている記事を判別して掲載するシステムを搭載し、全世界からホットな植物の話題が日々集まってくる。植物の根が伸びてからまりあったり、葉が風の中で重なったりするように、そのネットワークは植物を通して世界を一つに繋げてくれる。
「ベランダにドングリのなる大木を植えたい」と言ういとうせいこう氏の植物に対する野望は、「Plants+」をまだまだ面白くしてくれそうだ。
Plants+
Plants+ network