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作務衣で自転車、普段着の自転車|PAPERSKY bicycle club

京都の寺社仏閣を、大学生と自転車でめぐる機会があった。その日のサイクリングの趣旨は、妙心寺・花園禅塾(禅僧として修行をする前に、その基礎を暮らしのなかで学ぶための学生寮)の男子生徒たちへ、自転車走行時の安全・マナーを伝え […]

05/27/2014

京都の寺社仏閣を、大学生と自転車でめぐる機会があった。その日のサイクリングの趣旨は、妙心寺・花園禅塾(禅僧として修行をする前に、その基礎を暮らしのなかで学ぶための学生寮)の男子生徒たちへ、自転車走行時の安全・マナーを伝えること。そして、全国各地から京都へやってきて学生生活をおくる彼らに、自転車で楽しむ京都を知ってもらうことだった。
寮の課外活動の一環ということもあり、集団走行であることがわかるよう「作務衣を着て走ろう」と呼びかけていた。当日、引率のご住職を含む男性約30名が日常着でもある作務衣を身にまとって集合。一見してただの学生ではないというオーラを放ちながらも、大半の生徒が普段どおりのシティサイクル(いわゆるママチャリ)を相棒にスタート。嵐山で豆腐店に立ち寄り、普段は立ち入ることのできない龍安寺の奥へ解説付きで拝観。下鴨神社で昼食、南禅寺で記念撮影、建仁寺で茶礼、観光客でごったがえす清水の舞台で圧巻の読経……と、“花園禅塾・僧走、自転車ランデブー”と銘うった、これ以上ないザ・京都な1日を、妙心寺で無事に終えたのだった。
後日、楽しかったという感想に加え、クロスバイクやロードバイクが欲しいという声が届いた。自転車はあくまで日常の道具=便利なもの。日々の買い物や通勤・通学のためならシティサイクルで十分だということもわかっている。でも本音をいえば、機能やスペックも高く値段もそこそこする自転車がいいし、何より愛着を持って長くだいじに乗りたくなる一台がいい。そういうものを人にお勧めしたいと思う私には願ってもない声だった。よりたくさんの人にとって、“自転車に乗ること”が日々の“楽しみの一つ”になればいいと思っている。作務衣で袈裟で、自転車に乗ったご住職が僧走する姿を、町で頻繁に目にする日がくるのかもしれない。どんな人の普段着でも、きままに乗れる自転車。さて、春ですし、和装や着物で乗りたくなるようなステキな自転車のことでも、想像してみようかな。