ペンギンブックスにみる装丁デザインの変遷

オレンジと白のラインに、おどけた表情のペンギンのトレードマーク。洋書が好きな人なら一度は見たことのあるこのデザインは、英国生まれのブックレーベル・ペンギンブックス(Penguin books)のものだ。ペンギンブックスは […]

12/10/2009

オレンジと白のラインに、おどけた表情のペンギンのトレードマーク。洋書が好きな人なら一度は見たことのあるこのデザインは、英国生まれのブックレーベル・ペンギンブックス(Penguin books)のものだ。ペンギンブックスは、1935年、いち早く安価なペーパーバックを出版するとともに、書店だけでなく駅やタバコ屋でもそれらを販売するという、革命的なシステムを作り上げた。多くの人びとが良質な文学作品に触れるチャンスを生み出し、タバコ1箱の値段でヘミングウェイやアガサクリスティなどの名作を世に送り出したのだった。”Good design is no more expensive than bad.”(よいデザインが下手なデザインよりコストがかかるということは決してない)という創業者アレン・レーンの言葉のように、デザイン性の高さにも 定評のある装丁の歴史は、まさにブリティッシュデザインの変遷そのものといえるだろう。
このペンギンブックスの1935年から現代までに刊行された本の中から選ばれた100冊分の表紙のポストカードセットが11月に発売された。上の写真は、ロンドン「ヴィクトリア&アルバート博物館」にて2005年に開催された、ペンギンブックスの70周年を記念した装丁デザイン展のもの。またペンギンブックスは、自社刊行の全ての小説の第一章を、Webサイトにて無料ダウンロードできるサービスPenguin Tastersを行っている。「コンピューターの画面で読むもよし、プリントアウトするもよし、iPhoneやBlackberryに入れるもよし、友人にメールで送るのもよし」という紹介にも表れているように、良質のクリエイティブをできるだけ多くの人に広めていこうという心意気。ペンギンブックスの精神は、70年の時を超えて今なお受け継がれている。
» Penguin Books
「Postcards From Penguin – 100 Book Jackets in One Box」