ナンセンとアムンセン、ノルウェーのふたりの探検家

ナンセンとアムンセン。ふたりのノルウェー人が残した偉大な足跡は、後に幾人もの探検家がたどることになる。折しも2011年は、現代でもっとも偉大な探検家フリチョフ・ナンセンがこの世に生を受けてから150年。そして同じノルウェ […]

02/21/2012

ナンセンとアムンセン。ふたりのノルウェー人が残した偉大な足跡は、後に幾人もの探検家がたどることになる。折しも2011年は、現代でもっとも偉大な探検家フリチョフ・ナンセンがこの世に生を受けてから150年。そして同じノルウェー人の探検家ロアール・アムンセンが世界で初めて南極点に到達した1911年から、ちょうど100年という節目の記念年にあたる。
ナンセンは1888年に、世界で初めてグリーンランドをスキーで横断する。その後もフラム号で、流氷に密閉され漂流しながら、それまで挑戦してきたほかの誰よりも北極点に近づくことに成功。さらに政治家でもあった彼は、第一次大戦後に国連の難民高等弁務官に就任し、戦争難民の帰国、移住などの救済活動に奔走する。その功績により1922年にノーベル平和賞を受賞。探検による偉業のみならず、さまざまな困難や苦労に立ち向かいながら人道問題にも果敢に挑戦し、多くの人の命を救った真の英雄なのだ。
一方、ナンセンのスキーによるグリーンランド横断達成の快挙を目の当たりにしたのが、17歳のアムンセン。そのことを機に探検家になることを決意した青年は、その後、数々の探検へ挑戦する道を歩みはじめる。当初、掲げていた北極点到達が、ほかの冒険家によりすでに達成されていたことを受けたアムンセンは、南極点へとその目標を変更。イギリス海軍大佐のロバート・スコットと人類初の南極点到達を競っていたが、アムンセンと4人の仲間たちは、1911年12月に世界で初めてその地を踏むことに成功する。そのときに使用した船が、ナンセンから譲り受け、改造したフラム号だった。
そういえば、ナンセンとアムンセンから遡ること800年あまり前。グリーンランドのヴァイキングが初めてアメリカ大陸に到達したという歴史もある。誰も足を踏み入れたことのない未開の地を求め、長い航海にも耐えて挑戦を続ける。そんな気質が、ノルウェー人には脈々と継がれているのかもしれない。
さて、ナンセンが氷の力に耐えられる頑丈な設計をほどこし、アムンセンの南極点到達にも貢献した航海船フラム号。この船の航海と科学者としてのナンセンの功績、そしてその後の海洋学にもたらした成果は、後に非常に重要なものとなった。人道援助に貢献し幾多の命を救った英雄でもあったフリチョフ・ナンセンは、自分がなによりもまず探検家であり科学者である意識を強く抱いていたという。その役割を果たしているときの彼の気持ちに、現代の私たちが学ぶことは多くありそうだ。
The Nansen-Amundsen-Year 2011
www.nansenamundsea.no