厳しくも美しい自然を感じる「ムーミン谷」|Tove Jansson

フィンランドといえばムーミン、と連想されるくらいに、世界でも日本は特別にムーミンが親しまれている国。フィンランドへの旅行先としても、ムーミンゆかりの地はつねに高い人気を誇っている。なかでもフィンランド第二の都市タンペレに […]

03/09/2010

フィンランドといえばムーミン、と連想されるくらいに、世界でも日本は特別にムーミンが親しまれている国。フィンランドへの旅行先としても、ムーミンゆかりの地はつねに高い人気を誇っている。なかでもフィンランド第二の都市タンペレにあるムーミン谷博物館は、著者トーヴェ・ヤンソンから寄贈された貴重な原画やスケッチが多く展示されているファン必見のスポットだ。2年後には移転し、さらに拡大した充実の展示になる予定だという。
1945年にシリーズ最初の一冊が刊行された童話『ムーミン』の舞台は、フィンランドのどこかにあるとされる、妖精たちの住む「ムーミン谷」。本のなかに収録された地図には、東に「おさびし山」があり、北にはライラックの茂みと森があり、その先には海が広がっている。架空の設定ながらそこにはやはり森と水に囲まれたフィンランドの風土が反映されている。印象的なのは、本作の物語に自然災害が繰り返し登場することだ。『ムーミン谷の彗星』では彗星の襲来、『ムーミン谷の夏まつり』では火山噴火や洪水。『ムーミン谷の仲間たち』では竜巻など……ムーミン一家をはじめ登場人物たちは幾度となく猛威に巻き込まれ命を脅かされるも、助け合いながら生き延びる。一方で、『夏まつり』には北欧の大イベントである楽しい「夏至祭」も描かれている。女性が7種(または9種)の花を摘んで枕の下に置くと、将来の夫との出会えるというフィンランド伝統のおまじないを、スノークのおじょうさんやフィリフヨンカたちがするかわいいエピソードもある。フィンランドを旅し、土地の文化を知れば知るほど、どこかにあるというムーミン谷がもっと近くに感じられるだろう。
Tampere Art Museum Moomin Valley
muumilaakso.tampere.fi
 
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