人々が守り続けてきた巨木の森、マリポサグローブ

いまや世界中から年間400万人の観光客が訪れるヨセミテ国立公園だが、この地が国立公園となるまでには、ひとりのナチュラリストの限りない愛情と甚大な努力があった。ジョン・ミューア。「自然保護の父」とも呼ばれる彼は1868年、 […]

04/05/2016

いまや世界中から年間400万人の観光客が訪れるヨセミテ国立公園だが、この地が国立公園となるまでには、ひとりのナチュラリストの限りない愛情と甚大な努力があった。ジョン・ミューア。「自然保護の父」とも呼ばれる彼は1868年、放浪中にサンフランシスコを訪れ、当時まだまったく知られることのなかったヨセミテとシエラネバダの自然に魅了されて以後、同地に住みながら山々をくまなく歩いて地学や植物の研究に勤しんだ。当時のヨセミテでは森林の伐採や無制限な家畜の放牧などで荒廃が進んでおり、その状況に危機感を募らせたミューアは執筆活動を通じて自然を愛し守ることの重要性を広く訴え、その長期に渡る尽力によってヨセミテは1890年、イエローストーン国立公園に次いでアメリカで二番目の国立公園に指定されたのだ。そして、ミューアと深く交流し、彼よりもさらに早い1856年にヨセミテを訪れ住み着いていたのが、ガレン・クラークだ。彼は自らの住んでいたワオナ近くでジャイアントセコイアの森を発見、その後50年以上の人生すべてを熱心な保護活動に費やした。彼が愛した巨木の森「マリポサグローブ」は渓谷の南40km にあり、いまやヨセミテのハイライトのひとつとなっている。樹齢約3,000年を超えるものを含む、信じがたいほど太くたくましいセコイアの巨樹が立ち並ぶ荘厳な森。樹林内をめぐる往復7km ほどのトレイルを歩けば、高さ60m、直径8.7m におよぶ「グリズリージャイアント」や、数百年も倒れたまま横たわり続ける「フォーレンモナーク」といった驚くべき木々に出会うだろう。何世紀にも渡り生き続ける、人間よりもはるかに長命な大木たちは現在、国立公園局の手によって適切な保護・管理が続けられている。
This story originally appeared in Papersky No. 32.