WORKING FISHERMAN vol.5 蒲入水産有限会社(伊根) 田中晃斗さん

ノルウェー発祥のアウトドアブランド、ヘリーハンセンは、1877年、商船隊の隊長だったヘリー・J・ハンセンが、極寒の海で働く漁師のために、激しい雨や雪、寒さなどから身体を保護する防水ウェアをつくったのがはじまりだった。「H […]

08/04/2017

ノルウェー発祥のアウトドアブランド、ヘリーハンセンは、1877年、商船隊の隊長だったヘリー・J・ハンセンが、極寒の海で働く漁師のために、激しい雨や雪、寒さなどから身体を保護する防水ウェアをつくったのがはじまりだった。「HELLY HANSEN × PAPERSKY WORKING FISHERMAN」は、各地で活躍する若い世代の漁師を訪ね、漁師という職業の魅力や仕事にかける想いを通して、創業時より変わらないヘリーハンセンの精神を再確認していくシリーズ企画。第5回目は、京都府伊根町・本庄漁港へ。
京都駅から車で北へ約2時間。丹後半島の北端に位置し、日本海に面した町、伊根町。リアス式海岸の入り組んだ海岸線が豊かな丹後半島は、古代より大陸との交流の窓口となり、大陸と都とを結ぶ交易ルートとして栄えてきた。伊根湾の海面に立ち並ぶ舟屋の風景は壮観で、漁村として初めて重要伝統的建造物保存地区に選ばれるなど、“海の京都”として観光にも力を入れている。田中晃斗さんは、愛知県の中学卒業後、漁師になるために、15歳でひとり京都・伊根町に移住。「蒲入水産」の最年少漁師として、定置網漁に力を注いでいる。
「小学生の頃からずっと漁師になりたくて。釣り好きの祖父に連れて行ってもらい、よく田舎の川や池で釣りをするのが好きでした。漁師になるという思いを両親に切り出したのは、中学3年の時。卒業後の進路をどうするかというタイミングでした。学校の先生にも、高校ぐらいは行っておいた方がいいんじゃないかと言われましたが、水産高校に行くという選択肢も頭になくて。ただ、早く漁師になって、一人前になりたかった。そしてそのためには、現場で動いて、覚えた方がいいって思ったんです。
それから、東京で開催された全国の漁師を募集するフェアに行って、京都のブースで蒲入水産のことを知りました。定置網漁を一日体験させてもらい、その後就職。決め手は、水揚げした魚の選別をすべて手作業で行なっていたこと。いろんな種類の魚が身近で見れて触れられる定置網漁が自分に合っていると思いました。
15歳で伊根に移住してから一人暮らしを始めて、最初は寂しかったですが、少しずつ慣れてきました。両親もここで頑張れるなら、いいんじゃないかと言ってくれて。先輩漁師のみなさんは一からやさしく教えてくれるし、たまに一緒に買い物にも連れて行ってくれる。もうひとつの家族みたいな存在です。
漁に出て、何が入っているのかなと思いながら、網を引き揚げる瞬間はいつも興奮します。魚を選別するときも楽しいですね。日本海の冬は寒いし、海も荒れやすく、危険な目に会う時も多くある。でも、特にしんどいと感じるのは、夏の暑さ。網を入れ替えたり、ブイに付いた貝を落としたり、炎天下での沖の仕事は大変です。だから漁師に向いているのは、我慢強く続けられる人だと思います。
いつか漁労長のような、何でもできるやさしい漁師になりたい。頑張ればなれると思う。今は僕が一番年下で、人と話すのも苦手だけど、後輩ができたら何かを教えたり、育てることも考えなきゃいけない。この先、仕事への姿勢も少しずつ変わってくるかもしれません。
漁師の仕事はとてもやりがいがありますが、仕事の後に近くの港で釣りをするひとときも、僕にとっては大事な時間。魚が好きで、その気持ちは誰にも負けないし、今よりも多くの魚がかかるように工夫していきたい。そして、伊根の海で獲れた美味しい魚をたくさんの人に食べてもらいたいですね。」

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