現代のチマヨ織りに、砂漠の風景を紡いで|Art in New Mexico(6)

チマヨはサンタフェの北東にある織物の街だ。現在、チマヨ様式と呼ばれる織物のスタイルは、20世紀初頭に生まれたもので、メキシコで生まれた「サルティーヨ」のダイアモンド型のデザインと、リオ・グランデ渓谷周辺で生まれた伝統的な […]

01/08/2020

チマヨはサンタフェの北東にある織物の街だ。現在、チマヨ様式と呼ばれる織物のスタイルは、20世紀初頭に生まれたもので、メキシコで生まれた「サルティーヨ」のダイアモンド型のデザインと、リオ・グランデ渓谷周辺で生まれた伝統的なストライプ、それぞれのデザイン要素を融合させ、先住民、特にナバホ族の織物に影響を受けながら、独自に発達したという。代々、水平の足踏み式織機を使い、熟練の織工によって一枚一枚、織られてきたものだ。
チマヨの街にやってきたのが、画家にして新進織物作家のエミリー・アンだ。故郷・ケンタッキーの大学で絵画と織物を学んだ後、移り住んだシアトルで小さなテキスタイル作品をつくり続けてきた。1年前、「まったくのノープランで」でチマヨにやってきて、老舗の工房、オルテガの見習い職工として雇われた。現在も週に3日はオルテガのための製品をつくり、その他の時間で自分の作品を制作している。
彼女の作品はチマヨの伝統スタイルとは一線を画している。織物のデザインは自ら描いた絵をベースにしており、LAを拠点に活躍するアーティスト、ジョン・ザバワに影響を受けたというペインティングは、砂漠の風景を有機的なフォルムでデフォルメした抽象画がメイン。それをニューメキシコらしい色合いで表現する。「紙に描いたものを、毛糸を使って織物へ写し取る。紙から糸へ、メディアの変遷というプロセスが好きなの」と、エミリー。最初の作品がブティックホテル「El Rey Court」に納められたというラッキーガールは、自らのスタイルを淡々と追求し続けている。
Emelie Anne
www.emelierichardson.com
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