伝説のクライマーと歩く、エルドラド・キャニオンでの時間

1986年、クリスチャン・グリフィスはクライマーの聖地、エルドラド・キャニオンで世界的な功績を残した。それまで周辺で最も困難とされ、誰もが失敗していたルート「デスディチャド(5.13c)」をフリーで登攀したのだ。彼はその […]

08/27/2014

1986年、クリスチャン・グリフィスはクライマーの聖地、エルドラド・キャニオンで世界的な功績を残した。それまで周辺で最も困難とされ、誰もが失敗していたルート「デスディチャド(5.13c)」をフリーで登攀したのだ。彼はその後、世界中をめぐり、今ではこのエルドラドに家を構える。
「たくさんの壁を登ったけど、エルドラドはヨセミテと並んでアメリカのベストスポットだと思うね。ほとんど毎日登っているけど、まだ触ってもいない壁がいくつもある。同じ公園内でも岩質が違うし、ちょっと歩けば高度が変わるから、雪が降った次の日でも登れる壁がいくつもある。それに海外へ旅するにもデンバーの空港までほんの40分だしね」
現在、クリスチャンは自らが登るだけではなく、クライミング・ウォールのデザイナーとして、ギアブランド「verve」のオーナーとして、世界に名を知られる存在だ。
「新しく困難なルートを探し続けるためには、真のクリエイティブ精神が必要だ。だから自分でギアをつくるのは自然な発想だった。それに、昔は、情報もない世界の山を探して登るのは大変なことだった。そこでどうすれば現地でクライマーを探して、彼らから口コミ情報を入手しやすくなるかって考えた。だったらクライマー専用のウェアを自分でつくって、これを皆が着てくれれば目印になるだろうって(笑)」
まだ2歳の愛娘とともに、付近の温泉プールに入り、地球の歴史を感じさせる岩に触れる毎日。娘に土の道を歩かせたかったことも、ここに移住した理由だとクリスチャンは言う。
「クライミングも人生も選択の連続。自然のなかで生活していれば、必要なものとそうでないものがわかるようになる。娘だけじゃなく僕だって、山から学ぶことはまだまだあるしね」
 
» PAPERSKY #45 Colorado | Bouldering & Hot Springs Issue (no.45)