Day1 京都〜園部 | 京の町は遠ざかり、霧が立ち込める雨の奥山を走る

旅立ちは雨だった。この日は京都在住30年の自転車ガイド、ヴィンセントさん(P.99)が加わり、総勢7人の大所帯。トレインになって京都の町をクルーズする非日常感と旅の始まりの高揚が重なり、心が落ち着かない。町家づくりの古い […]

12/20/2016

旅立ちは雨だった。この日は京都在住30年の自転車ガイド、ヴィンセントさん(P.99)が加わり、総勢7人の大所帯。トレインになって京都の町をクルーズする非日常感と旅の始まりの高揚が重なり、心が落ち着かない。町家づくりの古い町並みを抜け、太秦から嵐山へ。かの有名な渡月橋を眺めつつ、アラビカ京都のコーヒーで一服。
「ここから山だよ」とヴィンセントさんが言ったとおり、嵐山を抜けるといきなり急坂が始まった。しかも激坂!息を切らせて登りきると、さっきまで都会にいたのにそこはもう深い山。あらためて京都と山の近さを知る。
ヘアピンカーブの峠道を下り、ヴィンセントさんお気に入りの林業用道路に入ると道はさらにワイルドになり、未舗装路を歓声を上げながら駆け抜ける。みんなずぶ濡れなのに、楽しくてたまらない。山を抜け亀岡の街が見えたときは、昔の旅人のような気分がした。
午後になっても雨は止まなかった。景色は里山になり、亀山から園部を目指す。今夜、宿泊するキャンプ場の近くに、あの男前豆腐店の工場があると聞き、ルーカス編集長たっての希望で立ち寄ることに。
ずぶ濡れの我々を、男前豆腐店はあたたかく迎えてくれた。品質へのこだわりを熱心に語る広報担当チャールズさん(日本人)の解説に時を忘れて聞き入る一同。思わず大量の豆腐を買い込み、その夜は湯豆腐パーティに決定した。
男前豆腐店を出ると西の空に晴れ間が見えた。気分は上々だった。冷静に考えれば、今日1日雨のなか、さんざんな目にあったのだけど。明日はどんなことが待っているのだろう? 僕たちは希望へと向かいペダルを漕いだ。
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