小豆島遍路 Day1 | 海岸沿いを歩き、竜宮城のような庵に寄り道

高松港から朝一番の高速船に乗り、小豆島・土庄港に渡る。穏やかな洋上を往く、およそ30分の航海。船から降りると、そこはごま油の香りが漂う小さな港町だった。「遍路の晴れ着」といわれる白装束で一行を出迎えてくれたのは、先達の森 […]

06/15/2017

高松港から朝一番の高速船に乗り、小豆島・土庄港に渡る。穏やかな洋上を往く、およそ30分の航海。船から降りると、そこはごま油の香りが漂う小さな港町だった。「遍路の晴れ着」といわれる白装束で一行を出迎えてくれたのは、先達の森下忠雄さん。73歳、島生まれの島育ちという森下さんにとって、遍路は昔からごく身近な文化だ。「子どもの時分は、さんや袋に入っている豆を分けてもらうのが楽しみで、お遍路さんの後を追いかけていた」とか。いつしか自らも昔ながらの歩き遍路の作法を受け継ぎ、「同行二人」の気持ちで遍路道を歩くようになった。
さて、行程は霊場総本院での安全祈願からスタートする。森下さんの案内で総本院から路地が複雑に入り込んだ、通称「迷路のまち」を抜け、島の西側の海岸線をのんびり歩く。小さな島に88の霊場が点在する小豆島の遍路道、その魅力は険しい山に築かれた山岳霊場にある。海沿いを歩く1日目で唯一、行場の雰囲気を感じられるのが第60番霊場の江洞窟。海に面した岸壁の洞窟内にある庵で、修験道の開祖、役行者もここで修行したという。ここには小豆島の霊場で最年長の名物庵主が控えているとの噂を聞きつけ、ルーカスもその邂逅を楽しみにしていた。
その庵主、宮城英徹さんは長野県出身の96歳。80代で仏門に入ったという強者で、若い頃は流暢な英語力を活かしてGHQ(! !)で働いた経験も。英語で話す宮城さんに日本語で返すルーカス、絶妙な塩梅で話に花が咲く。
宮城さんとの別れを惜しみつつ、海岸沿いをさらに北上する。この日はユニークな「天涯護摩」で知られる本覚寺をまわり、隣接する光明庵でフィニッシュした。
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