コペンハーゲン市内にあるクリスチャニアは、かつて軍の施設だった。しかし、1970年代に入ってヒッピーたちが占拠し、今では800人が住むコミューンと化している。街のあちこちに手づくりの家があり、壁にはグラフィティが描かれる。一見すれば退廃した場所のようだが、街は「ノー・ハードドラッグ」「ノー・自動車」「ノー・暴力」が基本という。政府はなんとかこの地域を“正常化”させようと試みたが、そのたびに住民と衝突。いまは沈静化しているものの、コペンハーゲンのなかで異質な存在であることにはちがいない。
そんな歴史とは裏腹に、クリスチャニアはデンマークの隠れ観光スポットでもあり、昼間は多くの観光客でにぎわっている。もちろん見どころも満載だ。クリスチャニアバイクと呼ばれる、カーゴつきの自転車が生まれたのもここで、いまだにファクトリーも存在する。さらに、デンマークのスケートボートウェアブランド「アリス」がプロデュースするスケートパーク「ワンダーランド」もクリスチャニアエリアにあり、スケボー少年たちの遊び場になっている。また、「モルゲンスゥデット」は、我々スタッフ一同が絶賛したカフェだ。素材の持ち味を活かしてつくられた野菜料理は、自然の風味にあふれている。古民家を改造した店内は居心地がよく、気がつけば4時間も居座ってしまったほど。周囲も美しい自然で満たされていた。
デンマーク人にクリスチャニアはどんなところ? と聞くと「あそこは立ち入らないほうがいい」という意見から「おもしろいところだから一度は足を運んでみなよ」と答える人までいろいろだ。ガイドブックにも載っていないディープな場所、クリスチャニア。その存在の良し悪しはぜひあなたの目で確かめて判断してほしい。
WONDER LAND
sydområdet, Christiania, DK.
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マップでめぐるコペンハーゲン|globe walker +10City Maps
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This excerpt originally appeared in Papersky’s DENMARK | cycling issue (No.31) (Denmark).
コペンハーゲン、クリスチャニアの光と影
コペンハーゲン市内にあるクリスチャニアは、かつて軍の施設だった。しかし、1970年代に入ってヒッピーたちが占拠し、今では800人が住むコミューンと化している。街のあちこちに手づくりの家があり、壁にはグラフィティが描かれる […]
04/09/2014