カリフォルニアの自然を巡る旅 vol.3 ヨセミテ国立公園

モノレイクを出発した私たちはTioga Pass峠を越え、ヨセミテ国立公園へと向かった。標高はどんどん上がり、峻険な山並みが目の前に迫ってくる。ここはもうシエラネバタ山脈のど真ん中だ。6月だというのに、車窓からは残雪が見 […]

08/24/2016

モノレイクを出発した私たちはTioga Pass峠を越え、ヨセミテ国立公園へと向かった。標高はどんどん上がり、峻険な山並みが目の前に迫ってくる。ここはもうシエラネバタ山脈のど真ん中だ。6月だというのに、車窓からは残雪が見え隠れしている。
「自然の雄大な寺院」とも称されるヨセミテ渓谷は、自然保護の父、ジョン・ミューアが長年暮らし、国立公園の理念を築いた場所としても有名だ。彼は、エルキャピタンやハーフドームに見られる高さ1,000mにも及ぶ垂直の絶壁は氷河によって削り出されたということを立証し、その後も生涯をかけてヨセミテの自然を守るために奔走した。はじめてヨセミテを訪れたときに見た渓谷の美しさを彼はこう表現している。
“このような景色を自分の目で見たことがない人に、この雄大で気高い輝きを説明するためには、どんな大げさな表現をしてもたりないだろう。”
(ジョン・ミューア著 岡島成行訳『はじめてのシエラの夏』宝島社 p102より引用)
この絶景を一目見ようと、ヨセミテ国立公園には年間400万人もの観光客が訪れる。そしてこの人数を受け入れるため、公園内には約1,000人ものスタッフが勤務している。私たちを案内してくれたネイチャーガイドのユージーンも、そのひとりだ。
ロサンゼルス出身で、排気ガスが充満した市街地で10代を過ごしたというユージーン。しかし、子どもの頃から自然にふれる機会も多く、湖でボートを漕いだり、乗馬をしたり、野山をハイキングしたり、大自然のなかで過ごした経験が自然への思いを育む原体験となったという。
「自然保護に取り組むにはいろんな方法があるけど、僕は自然の素晴らしさを人に伝えることでアプローチしたいと思ったんだ。」
こう話す彼の説明を聞きながら、ヨセミテ渓谷を散策した。風にたなびく草地を縫うように小川が流れ、ふと顔を上げると雄大なヨセミテ滝が絶壁の上から流れ落ちている。まるでおとぎの国のような風景のなかをのんびりと散歩をしながら、「ヨセミテで一番好きなのはどこ?」と、ユージーンに訊いてみた。
「好きな場所はたくさんあるけど、季節によって表情が変わるから一番は決められない。でも、僕には3歳になる息子がいるんだけど、彼を肩車しながら歩くことが一番好きかな」。
3歳の彼の息子にとっての原風景は、このヨセミテの大自然になるに違いない。それはなんて贅沢なことなのだろう。彼がどんな道に進むかは知る由もないが、きっとジョン・ミューアの意思は彼にも受け継がれていくのだろう。
◼︎取材協力
カリフォルニア観光局 www.visitcalifornia.jp
ヨセミテ/マリポサ・カウンティ観光局 http://www.yosemite.com
ヨセミテ国立公園 https://www.nps.gov/yose/index.htm
Evergreen Lodge http://www.evergreenlodge.com
ハーツレンタカー www.hertz.com